神魔戦記 第六十四章

               「理想郷を目指して(後編)」

 

 

 

 

 

 リリスは城を散歩していた。

 祐一に会いたいところだが、いまは『大切な用事』とかいうのがあるらしくて逢えない。それは、

 ――つまらない。

 そう、思う。

 以前までは知らない感情だった。

 こんな風に、期待していたことが起こらず、面白くないような感情を、

「つまらない」

 そうやって表現するのだ、と教えてくれたのは佐祐理だった。

 リリスは祐一が一番好きだ。そして二番目は佐祐理で、三番目は栞だ。四番が亜衣で五番がマリーシア。

 別にその他の人間が嫌いだというわけではない。ただ、まだあまり知らないだけ。

 佐祐理は、良い。こっちをほんわかさせてくれる。安心できる。そして、

「温かい」

 祐一にも感じるものだが、その点だけなら佐祐理の方が上ではないだろうかとも思う。

 祐一はパパ。なら、今度佐祐理をママと呼んでみようか。

「ママ」

 なんとなく、良い響きだ。それに、佐祐理に似合うとも思う。

 もしそう呼んだら、佐祐理はどんな反応をするだろうか。嬉しがるだろうか、悲しがるだろうか。少なくとも怒ったりはしないだろう。

「……うん」

 そうしよう。

 いまはつまらない。だからそれを『楽しい』とするために、佐祐理がいるであろう魔術師たちの訓練場に足を向けることにする。

 いま自分のいる場所から訓練場までは中庭を越える必要がある。リリスの好きな場所ベスト3に入る場所だ。

 だから喜々としてそこに足を運び――そこでリリスは見慣れない物を見つけた。

「?」

 中庭の中央にある噴水の傍、そこに置かれているのは、

「……猫?」

 確かそう呼ばれている生き物のはず。だが、それは命の息吹きを感じない。それは形を似せているだけの、

「人形?」

 きっとそうだろう、とリリスは自己判断し、物珍しさにそれに近付いていった。

 噴水を中心に回りこむようにしてみれば、

「……あ」

 それは置かれているわけではなかったことに気付く。

 そこに、見知らぬ少女がいた。銀髪の髪を二つに結った、自分や亜衣たちと同じくらいの背丈の少女が。

 猫の人形は、その少女が抱いていた。

 なんだろう、とリリスは思う。

「この感覚は……」

 ――自分と、似ている……?

 そんな疑問が浮かんだと同時、その少女の視線が不意にこちらに向いた。

 視線が、重なる。

 そうすると、さらに似ている、という感覚が広がった。

「あなたは――」

 誰、と聞こうとして、だが止めた。

 以前佐祐理に注意されたことで、『人の名を訊ねるときにはまず自分から名乗る』というものがあった。

 それが普通なんだと言われたので、リリスもそれに倣うことにする。

「私はリリス。……あなたは?」

 少女はわずかの間を置きながらポツリと、

「……プリムラ」

 そう答えたのだった。

 

 

 

「では、三国の同盟調印は完了ということで」

 祐一の言葉に、レスティーナと稟がそれぞれ頷く。

 三者の中央には同盟の旨を記載された書類があり、そこには三国のサインの証である紋章が刻み込まれていた。

「しかし、これでなんとかエターナル・アセリアを援護できるようになったな」

 ペンをしまった稟は安堵の息を吐きながら椅子に寄りかかり、

「いままでは二国間にチェリーブロッサムがいたからなぁ。派兵もできなかったが……カノンを経由すればそれもできるようになる」

「いえ、いままでも十分助けられてもらってます。シャッフルがチェリーブロッサムに睨みを利かせているから、あちらも我が国に全兵を投入できないでいるんですから」

 エターナル・アセリアとシャッフルはチェリーブロッサム王国を挟んだ位置にある。

 志を同じくする二国であったが、そのためにいままで言葉を交わすことはできなかった。

 だからこそ、カノンの登場は両国にとっていろいろな意味で助けであった。

 同じ目標を掲げる国。それでたとえ敵は増えたとしても、二国でできないことが三国ではできるようになるのだから。

「あとは戦力の問題かな」

 稟が言い、祐一とレスティーナを見据え、

「当面、シャッフルに戦いの危惧はない。キャンバスは中立のウインドが隣にあるせいかそれほど大きな行動も取らないし、チェリーブロッサムも当面はエターナル・アセリアしか狙わないようだしな」

 シャッフルは世界でも最も大きい国土を誇る国家だ。それだけ人口も多く、また兵力も大きい。

 それにシャッフルは共存国。兵の中には人間族、魔族、神族の三種族が混ざりあっているので、さらに戦力は増す。

 そんな背景から、他国もそう簡単にシャッフルに攻め入れないというのが現状だ。

「だから、しばらくはカノンとエターナル・アセリアに力を貸すことにしたい」

「それを知れば他の国が攻めてくることになるかもしれないぞ?」

「大丈夫。そこも考えて派兵するさ」

 シャッフルがそう言うのなら、祐一としては断る理由はない。兵は多くいて困ることはまずないのだ。

 レスティーナも同様の意見なのか、好意を受け入れるように頷いた。

「で、とりあえずはこの二人のどちらかをそれぞれに使者として送りたい」

 この二人、というのは後ろに仕えていた亜沙とカレハだろう。稟は肩越しに小さく見やり、

「亜沙さんは戦闘から回復から、戦闘じゃ近距離から遠距離までなんでもこなすバランス型。

 対してカレハ先輩は回復に関してはシャッフル王国随一だ。さ、どっちが良い?」

「いやぁ、稟ちゃん? なんかその物言いがすっごく身売りみたいでボクたちからするとわかってても複雑な気分なんだけどー……」

「まぁ、売られてるんですのね、私たち。でもそこで運命の出会いを果たしそして二人は……ままままぁ♪」

「あー、カレハ? 戻ってきてくれると嬉しいなー、なんて。これ以上話ややこしくなるとボクじゃ収拾つけられないし」

 なかなか個性的な二人だ、と祐一は苦笑。

 まぁ、個性的なメンバー、というのならおそらく自分たちも負けていないだろうが……。

「で、どうする?」

「私はお二人のどちらでも歓迎できますから、相沢王にお任せします」

 レスティーナの言葉に遠慮という雰囲気はない。本当にどちらでも良いのだろう。どちらでもエターナル・アセリアからすれば貴重な戦力となるだろうから。

 ならば、と祐一は考える。考えて、

「では、時雨亜沙を」

「ボク?」

 自分を指差す亜沙に頷き、

「あぁ。軍のバランスを考えるなら、治療術士が必要なんだろうがな。

 だが、いずれ来るであろうエアとクラナドとの戦いを考えれば、いまは戦力が欲しい。すまんがそういうわけで助力してもらえるか」

 へぇ、と亜沙が面白そうに口を綻ばせた。次いで、まるで敬礼でもするかのように手を額に掲げ、

「シャッフル軍、時雨亜沙。この度使者としてカノン王国に仕えることになりました。――というわけで、よろしく♪」

「あぁ、こちらこそな」

 隣のカレハはゆっくりとレスティーナを振り向き、

「では、私はエターナル・アセリアですのね。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ、レスティーナ女王」

「こちらこそ。貴女の治療の腕、期待させていただきます」

 笑顔が交わされる。なんとなくこの二人は気が合うんじゃないだろうか、と思う。

 そこへ、ノック。そろそろだろう、と思っていたので相手はすぐにわかった。

 入れと促せば、入室してきたのは、

「カノン王国軍、シオン=エルトナム=アトラシアです」

 アトラシア、の姓にレスティーナと稟の表情が若干硬くなる。

 博識だな、と思うのと同時、無理もないか、とも思う。だが、

「さて、レスティーナ女王」

「あ、はい。なんでしょう?」

「先日から行っていた文面での交渉に、貴国は指揮ができる人物を欲っしていたな」

「そうですが……まさか」

「あぁ。シャッフルには戦闘面での危惧はないとのことなので止めておくが、エターナル・アセリアにはこちらからも使者を送りたい。

 それが彼女、シオン=エルトナム=アトラシアだ」

 シオンが目礼する。その前で唖然としていたレスティーナにとりあえずの言葉をかける。

「錬金術師の中でも頂点に近いシオンは指揮だけでなく各種計算を速やかにかつ確実に弾き出してくれる。かなりの戦力になると思うぞ」

 するとレスティーナは気を持ち直したのか、やや慌てた様子で振り返り、

「で、ですが『アトラシア』ということは、その――」

「あぁ。現段階の錬金術師の最高峰だ。ちなみに彼女は現在自分の研究のためにアトラスを抜けている」

 アトラスに身を置いたものがアトラスを抜けることなどない。

 それでも抜けたということは……レスティーナも察しただろう。

 つまりは、逃亡者。追われる側の立場であるということ。いまだカノンには現れていないが追跡者はアトラスの連中か、それとも代行者か……。

「……」

 あるいは、埋葬機関かもしれないな、とも思う。……まぁ、“その”前提が成り立てば、の話だが。

 とりあえずそれはさておき、レスティーナの逡巡もわかる。

 シオンを使者として迎えるということは、それら諸々の面倒を背負うことになる。

 ただでさえチェリーブロッサムとの戦いで疲弊しているというのだ。そんなことはできるなら避けたいだろう。だが、

「この国には、代行者や魔術協会に狙われている者、狙われてもおかしくない者が多くいる」

 一旦そこで区切る。こちらを見るレスティーナと稟の表情を見直し、

「だが、だからと俺はそれを拒んだり、ましてや国から出そうとは思わない。

 仲間だし、それよりなによりここに住んでいる以上そいつはこの国の者だ。なら俺にはそいつを守る義務がある。

 それに――そういうこともまた、『誰もが垣根のない世界』という、全種族共存にも通ずるものと思えるからな」

 稟は力ない笑みを浮かべていた。

 大国シャッフル。おそらくそこにもまた封印指定を受けるべき者や、追われる者もいるだろう。だからこそわかる、という表情だった。

 対してレスティーナはやや色の悪い表情ながら、それでも力ある意思を思わせ、

「……そう、ですよね。そんなことができなければ、全種族共存なんてできるはずもありません」

 誘導に近い発言だっただろうか、とは思うものの間違ったことを言ったとは思っていない。

 だから祐一は頷き、

「ではカノンは、シオン=エルトナム=アトラシアを使者としてエターナル・アセリアに送ることとする」

「ええ、確かに。……シオンさん、これからよろしくお願いしますね」

「よろしくお願いします」

 シオンは一礼し、祐一の後ろからレスティーナの後ろへと移動した。

 肩に掛かるはカノンの紋章を刻み込んだ白き外套。

 ――良かったな。

 これでシオンはカノンの名をその肩に乗せることで、再び新たな情報と向き合うことができる。

 一国の城に保管されている書物。それだけで情報の質は高いものだとわかる。

 カノンの使者ということで出向けば、シオンはそうしたものにまた触れることができる。

 だが、シオンのことだけを考えてエターナル・アセリアに送ったわけではない。本当に指揮官としても優秀だから使者にできるのだ。

 シオンは片手間に仕事をしたりはしない。必ずや使者としての責務を全うし、さらには自らの願いのために情報を手に入れるだろう。

「では、交換というわけでもないのですが、エターナル・アセリアからもカノンへ使者を送りたいと思います」

「ん? いや、だがエターナル・アセリアはこちらよりも状況は厳しいだろう? そんな気を遣う必要はない」

「そういうわけにもいきません。それに、これは本人の希望でもあります」

 希望? と眉を傾げれば、レスティーナの後ろに並ぶスピリットから一人一歩を刻む少女がいた。

 その少女は二つに結った黒髪を揺らし、やや俯き加減にこちらを見ながら、

「へ、ヘリオン=ブラックスピリットです。ど、どうぞよろしくお願いします。え、エターナル・アセリアの使者として頑張りますっ!」

 終始おどおどした雰囲気は抜けなかったが、その視線や言葉の端々からその決意が本物であることだけは伺えた。

 なら、こちらが断る必要もないだろう。

「わかった。ヘリオン、これからしばらくお前の力を借りる」

 するとヘリオンは笑みを浮かべて、

「はい!」

 強く頷いた。

「大団円、ってところかな?」

「ですね」

 稟の台詞に隣のネリネも嬉しそうに頷きを入れる。

 そこにいる誰もに笑顔が浮かべていた。

「では、カノン、シャッフル、エターナル・アセリアの三国同盟会議は、ここに無事完了したと宣言しよう」

 レスティーナ、稟が頷く。

 三国の同盟会議が無事に終了した瞬間であった。

 

 

 

 同盟会議が終わると、エターナル・アセリアはすぐに帰っていった。

 チェリーブロッサムがいつ襲ってくるかはわからない以上あまり自国を離れるわけにはいかない、と苦笑していたレスティーナ。

 主力は置いてきている以上、別段急いで帰る必要もなさそうだが、そこはレスティーナの性格なのだろう。

 それに、近々また来る、と言っていた。

 世界的にも有名な大賢者ヨーティアが現在なにか偉大な発明をしているらしい。完成の暁にはカノンやシャッフルにも取り付けに来るのだそうだ。

 それがあれば各国間の移動が楽になるとのことだが――、

「いまはまだ秘密です」

 まるで秘密を楽しむ子供のような笑顔で、そう言われてしまった。

 年相応の笑顔。なんとなく、ではあるが……きっとレスティーナという個の地はこっちなのだろうと思う。そう感じられる、笑みだった。

 で、現在はシャッフルの面々と祐一たちで中庭に向かっている。

 実はシャッフルはもう一人連れてきていたそうだが、それは会議に出す名目ではなくあくまで外国というものを見せたかったから、というものらしい。

「すまない。勝手に城の中庭に置かせてもらって」

 別にそれは構わないと言えば、稟はただ微笑むだけだった。

 ――気になる言い回しだな。

 外国を見せたかった。その物言いは、まるでいままで自由を得ることが無く、外を見ることができなかったものに見せていたい、という風に受け取れる。

 そして、稟たちのこの反応からしてそれはまず間違いないだろう、と確信した。

 中庭。

 そこで待っているのはどんな人物かと思えば――、

「……ん?」

 そこにはどこか不思議な光景が広がっていた。

 噴水近くの芝生の上、座り込み猫の人形を構う二人の少女がいる。

 一人は見知った顔、リリスだ。だが、もう片方は知らない。目に栄える銀髪の少女。おそらくその猫の人形はその少女のものだろうと考えるが、

「……なんだ?」

 その少女。なにかリリスに近いイメージを受ける。乏しそうな表情、色を感じさせない瞳、その挙動。

「……なぁ、祐一」

 少し掠れたような声で、稟。随分と目の前の光景に驚いているようだ。

 それはネリネも、そしていまは祐一たちの後ろにいる亜沙も同じなようだ。

「なんだ?」

「あの……プリムラと一緒にいる子は、城の者なのか」

 ここに来たことといい、あの少女がシャッフルの人間であるということはわかる。だからプリムラ、というのがあの少女の名なのだろう。

「あの子は――」

 答えようとした瞬間だ。こちらに気付いたリリスが視線を向け、

「あ、パパ」

 え、とシャッフルの面々の動きが止まる。

 まぁなにも説明なしならどういうことになるだろうなぁ、とは思いつつあながち間違ってもいないので、特に訂正はしない。

「リリス。ちょっとこっちに」

 ててて、とこちらに駆けてきて腰に抱きついてくるリリス。その頭を撫でながら、

「この子はリリス。……旧カノンが作り上げた魔導生命体だよ」

 稟たちの顔が驚愕に染まる。だがその驚愕は魔導生命体に対するものではなく、むしろ、

「そうか、その子はプリムラと同じ……」

 やはりか、と心中で納得した。

 そのプリムラという少女も稟の近くに寄っていき、その袖をきゅっと握る。

 儚い瞳。その頭に稟もまた手を乗せ、

「この子はプリムラ。その子と同じで、シャッフルが統一される前に一部の研究者たちが作り出した魔導生命体だよ」

 人ならざる者の気配。だが、魔族とも神族とも、ましてやエルフや獣人族とも違う。

 魔導生命体。

 似ているはずだ。なぜならリリスとプリムラは神耶などと同じ、魔導生命体という作られし存在だったのだから。

 稟はリリスを一瞥し、プリムラを見下ろして、

「あの子と遊んでたのか?」

「……うん」

「楽しかったか?」

「うん、楽しかった」

 そうか、と頷き稟はもう一度リリスを見る。

「随分と懐いてるみたいだな」

「そっちもそう見えるが?」

「……いや、そうでもないよ。俺じゃプリムラの壁を壊すことはできなかった」

 自嘲めいた笑みだ。心底から自分の無力さを痛感しているかのような、そんな表情。しかし、だからこそ、

 ――強く……想っているんだな、周囲の者たちを。

 だから何もできないのが悔しく、歯痒い。それは、祐一にもわかる。昔には何度も経験したことだ。

 故に、いまは同じ過ちをしたくないと思い、強くありたいと願う。それはなにも戦いだけに限らず、いろいろな意味で。

 それがきっと、『王』という立場にも繋がっていくはずだから。

「なぁ、祐一。一つ、個人的な頼みを聞いて欲しい」

 そしてここにまた王として、そして一人の人間として周囲を守ろうと誓う者がいる。

 その人間の頼みごと。

「これはシャッフルがどうだとか、王としてどうだとか、そういうのは抜きの頼みだ。受けてくれるか」

「内容にもよるな」

 そりゃそうだなと苦笑し、稟はゆっくりとプリムラの頭を撫でた。

「――プリムラを預かってくれないか?」

「稟さま!?」

 驚きの声を上げるネリネ。だが、亜沙は無言のまま成り行きを眺めていた。

「これは俺の直感なんだけどな。……祐一なら、プリムラをどうにかしてくれるんじゃないかと思える」

 リリスを見て、そして視線はこちらを向き、

「頼まれて、くれないか?」

 真摯な表情。

 プリムラを救えない自分に嫌気が差した、あるいは逃げた――そういった後ろめたさを感じさせない、強い眼差し。

 ただプリムラを想い、プリムラのためを考えての提言だとわかる。

 わかるからこそ、

「……了解した。プリムラは俺が預かろう」

 頷いた。

 すると稟は破顔し、

「ははは……あぁ、頼む」

 ……そういうわけで。

 今日この日、カノン王国――祐一にまた新しい仲間が増えることになった。

 三国の絆。

 それは先の見えない暗闇の未来で、しかし一縷の光となることだろう。

 

 

 

 あとがき

 あい、神無月です。

 三国同盟、無事終了〜。そしてカノンに新たな仲間が増えました。

 彼女たちがどういった活躍をするかもまた、楽しみの一つとしてくれると嬉しいです。

 では、また次回に。

 

 

 

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