これは風子がみなさんに送る、愛と感動とロマンスと哀愁と涙と切なさと・・・とりあえずそこらへんのものを適当に盛り込んだスペクタクル巨編な一日のお話しです。
 風子の日がな一日☆
        〜昼編(前)〜
 お昼です。
 きらきらと輝く太陽がやけに眩しいです。
 まるで風子を讃えんばかりの輝きです。
 そんな太陽を眺めていると、風子はいまにも必殺技を炸裂させてしまいそうです。日輪の力を借りて、いま必殺の!
「ふうちゃーん。ちょっと頼みたいことがあるんだけど・・・」
「ヒトデあたぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっくぅ!」
 ごすぅ!
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・はっ!?お姉ちゃん!?」
 た、大変です!伊吹家をいま過去類のないハプニングが襲っています!
 ヒトデが!風子のヒトデが!お姉ちゃんの顔面にストレートでドンピシャでクリーンヒットですか!?(←なぜか疑問系)
「・・・・・・・・・・・・・・・ふぅちゃん?」
 あぁぁぁ、お姉ちゃん!それは、それは怖いです!のそりのそりと落ちていくヒトデの裏から徐々に見えてくるそのさわやかな笑顔がひじょーに怖いですぅ!!
「ねぇ、ふぅちゃん。前にも言ったと思うけど、物を投げたりして遊んじゃ駄目って言ったよね?」
「聞いたような聞かなかったような・・・・・・」
「言・っ・た・よ・ね?」
「はい。風子しかと聞きました」
 風子、陥落。
 ああ、風子も所詮圧倒的な力の差には跪くしかありません。駄目です。あまりの迫力に風子ちびり寸前です。
 お姉ちゃんは笑顔で喜怒哀楽を表すことができるという特技を持ったすさまじいお人です。こんな人がこの世に他にいるでしょうか?
 ・・・・・・なんとなくいるように感じる風子はおかしな子でしょうか?
 と、そんなことを考えている暇は爪楊枝の先ほどもありません。風子は即座に腰を折ると、
「ごめんなさい、お姉ちゃん。もうしません」
 どうです、この風子の世渡り術!
 なぜかはよくわかりませんが、風子が素直に謝ると大概の人は許してくれます。(←幼女に見られているということに気付いていない)
 ちらりと上を窺っています。
「・・・・・・・・・・・・にこぉ(怒)」
 あぁぁ!?まったく通用してません!なんたることでしょうか!?
 お姉ちゃんの辞書には慈悲という言葉はないのでしょうか!?
「ふぅちゃん。謝れば何でも許されると思ったら大間違いだよ?」
 バレてる!?
 さすがはマイシスター!以心伝心はばっちりですか!?言葉要らずでテレパシーで万事解決ですか!?
 むぅ、恐るべき血の力。風子は人類という存在を根本から見直さなければならないようです。
 そんな思考に埋没していた風子の目先に、突如ずいっとなにか巾着袋のようなものが現れました。
「ふぅちゃん。罰としておつかいをしてもらいます」
「おつかい、ですか?」
 これでも風子はご近所では「おつかいのふぅちゃん」と呼ばれた人間です。おつかいの一つや二つで許されるなら一肌脱いでやろうという気にもなろうというものです。
「承りました。お姉ちゃんのためなら、不肖風子、どこまでも」
 スッと膝を折り、騎士のように恭しく頭を下げる風子。
 あぁ〜〜〜!
 いまの風子はかっこよいです!とても輝いています。風子最高!
 大観衆の中、「ジーク・風子!」という掛け声が聞こえてくるようです。
 そんな風子の態度にお姉ちゃんも機嫌を直したのか、大きくため息を吐いて巾着袋を風子に持たせました。
「このお弁当を祐介さんのところまで持って行ってほしいの」
「なるほどお弁当ですかわかりました風子の足を持ってすればこの程度の雑務など一分のうちに終わることでしょうとはいえ決して奥歯に加速装置などはないのであしからずということで風子行って参ります」
 ノンブレスでそこまでを言い切ると風子は駆け出しました。
 いざ行きましょう!ヒトデのイスカンダルへ!
 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・
「ふぅちゃん、祐介さんの仕事場知ってるのかしら?」
 ちゃんちゃん♪
あとがき
どうもー。神無月です。
短編の分際で前後に分かれる始末・・・。神無月は思うのですよ。朝よりも夜よりも昼の方が長いのだと!
あー、いえ、別に力説したことに深い意味はありません。っていうかなにも考えてませんのよ。
まぁ、意外に人気の出ましたこれを夜編までやることに決定。あと二話分これが発生します。
見てやってくださいな。