これは風子がみなさんに送る、愛と感動とロマンスと哀愁と涙と切なさと・・・とりあえずそこらへんのものを適当に盛り込んだスペクタクル巨編な一日のお話しです。

 

 

 

 風子の日がな一日☆

        〜朝編〜

 

 

 

 

 

 

 

 朝です。

 

 風子自慢のヒトで型目覚まし時計(祐介さん作)がなっています。

 

 ああ、起きねばなりません。

 

 しかしとても眠いです。まだ風子は寝たりません。さて、風子はどうすればよいのでしょう。

 

 そうです。いま、風子とても恐ろしい妙案を思いつきました。風子、自分の才能に恐れをなしてちびってしまいそうです。

 

 と、いうことで風子はそれを実行すべく(断じてちびる方ではありません)腕だけを布団から出して目覚まし時計を引き寄せます。

 

 ・・・届きません。

 

 いえ、決して風子の背が小さいわけではありません。ええ、断じて。これは誰かの策略なのです。そう、いまも瞳を輝かせながら風子の隙を窺っている伝説のヒットマン。あなたの好きにはさせません。

 

 布団から体を出すことそれすなわち風子の敗北を意味するので、布団を被ったまま軍隊仕込みの匍匐前進を開始します。そして再度目覚まし時計に腕を差し伸ばします。

 

 ・・・届きません。

 

 恐るべし伝説のヒットマン。そこまでして風子の命を狙いますか。ならば風子も本気を出すしかありませんね。

 

 この本場アメリカ、うえすたんで培ったこのロープ技術で・・・。

 

 風子うっかりさんです。ロープがありませんでした。

 

 さすがは伝説のヒットマン。ここまで計算してあるとは風子驚きです。スイス銀行は伊達じゃないといったところでしょうか。

 

 仕方ありません。風子は潔いので素直に負けを認めることにしました。

 

 布団から上半身だけを出して、きっちりと目覚まし時計を捕獲します。そしてそのまま後ろを向けてノブを左回し〜、左回し〜。

 

 はい。これで誰がどう見えても現時刻は三時ぴったりです。

 

 大変です。まだまだ夜です。これは良い子の風子としてはすやすやとすみやかに眠らなくては末代まで祟られてしまいます。

 

 ということでおやすみなさい。

 

「こら、ふぅちゃん!」

 

 あうち。

 

 頭部に軽い衝撃。いまので風子の四万三千の細胞が御臨終してしまいました。ああ、さようならピエール。またいつかローズマリー。あなたに会えて良かったですジョニー。

 

「もう朝だよ、ふぅちゃん。ほーら、起きて」

 

 ガバチョと掛け布団を剥ぎ取られてしまいました。その向こうには、なぜか疲れた表情のお姉ちゃんが立っています。

 

「違いますお姉ちゃん。いまはまだ朝じゃありません。三時です」

 

 風子の言葉を聞いたお姉ちゃんは「ふーん」と言いながらおもむろに目覚まし時計を手に取りなにかいじりはじめました。そしてそれを風子の目の前に差し出してきます。

 

「ほ〜ら。もう八時です」

 

「お姉ちゃん。それはあまりに卑怯だと風子は思うのですが」

 

「そうだね。ふぅちゃんは卑怯だよね」

 

「いえ、風子でなく」

 

 お姉ちゃん強力説浮上。実はお姉ちゃんは以外に鋭かったのかもしれません。

 

 ・・・なるほど、そうでしたか。風子ピンときました。

 

「わかりました。犯人はお姉ちゃんです」

 

「なんのこと?」

 

「お姉ちゃんがスイス銀行にいくら振り込んだか知りませんが、風子はこの程度では負けませんよ」

 

「もう、ふぅちゃん。わけのわからないこと言ってないで。朝ごはん冷めちゃうよ?」

 

「くぅ、優しい言葉で風子をかどわかすつもりですね。しかも朝食付きとはあなどれません。しかし、風子はそんなことじゃ負けません。負けるわけにはいかないのです」

 

 そう、風子は負けられないのです。散っていった十二万五千の細胞たちのためにも。見ていてピエール。待っていてローズマリー。仇はとって見せますジョニー。

 

「それじゃいらないんだ。そっか〜。せっかくふぅちゃんの好きなハンバーグ作ったのになぁ」

 

「なにをしているんですお姉ちゃん。早くいただきますをしましょう」

 

「うわ、ふぅちゃん早い・・・」

 

 なにをお姉ちゃんはとろとろしているのでしょう。風子はもうこうやって椅子に座って両手にナイフとフォークを持ち臨戦態勢を整えているというのに。

 

「もう、ふぅちゃんったら・・・」

 

 むっ。なにかお姉ちゃんが含みのある笑みを浮かべましたが・・・。まぁ、今回はこのハンバーグに免じて許してあげましょう。

 

「それじゃ、いただきましょうか」

 

「はい、いただきました」

 

「えっ!?ふぅちゃん、もう食べちゃったの?」

 

 どこか呆れた風に息を吐くお姉ちゃん。なにを嘆いているかは知りませんが、お姉ちゃんのハンバーグはとてもおいしかったです。

 

 そんな風子の日常的な朝でした。

 

 

 

 

 

 

 あとがき

 はーい。神無月でござーい。

 唐突に書きました風子SS。理由不明、意味無し、テーマ皆無という三拍子揃ったこのSS。さぁ、どうだ!?ちなみにこれ、三分クッキング。

 これ、どうなんだろう。ギャグなんでしょうか?それにしてはくだらなすぎるような・・・。

 単純に風子視点の話が書いてみたかっただけですから。うう、つまらないよ〜。

 ・・・続きは・・・どうしよう。書いても良いのかなぁ?不安・・・。

 それでは、最後に名台詞。

 

 認めたくないものだな。若さゆえの過ちとは。

 

 さいなら〜〜〜。

 

 

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