祐一たちが秋子たちと戦っているちょうどその頃。
これは、地球で起きていた一つの戦い。
Another Side T
【キサラギ、発進(前編)】
地球連邦軍、日本基地。別名、横浜基地。
カンナヅキロールアウト後、その二番艦と三番艦の製造は即座に開始された。
期待のカンナヅキも、手痛いアクシデントはあったものの今なお健在で、ネオジオンの追っ手を凌いでいると聞く。
そんなこんなで連邦上層部もカンナヅキ級の製造に力を入れ始め、先日ついに二番艦のムツキ、三番艦のキサラギがほぼ完成した。
ムツキは調整も終了、テスト航海のため、資材の搬入もかねて月のアナハイムへと飛び立った。
そして、ここ。横浜基地には調整途中であるキサラギがある。
そんなときだった。
事件が起きたのは。
「・・・では、人事を発表する」
その空間にはコロニーのように紛い物でない、本物の日の光が差し込んでいる。
その部屋の中にいるのは三人の男。一人は机の向こう、無意味に大きな椅子に悠々と座る老人。首もとの襟には大佐の階級。
そして向かうように立つ二人。見れば階級は中尉、もう片方は軍曹だ。
軍曹の男は見た印象、どこか軽く見える。その染めた金髪もあるだろうが、どこか一目でそうとわかる雰囲気を持っていた。
その右側、中尉の男は特にこれといった特徴はない。顔は整っているのだが、どうにも締まらない。退屈そうにしているというのが見た目にわかり、ちょうどあくびをしている。
夏も真っ盛り。昼を過ぎたあたりの太陽はこちらを刺すようにぎらぎらと輝くが、エアコンの効いたこの部屋の空気はひどく眠気を誘う。
(こういう日はゆっくりと寝たいもんだな)
気だるそうにしているこの中尉の名は岡崎朋也。
士官学校を卒業せずに連邦に入った者としては異例の早さで昇格した人物で、二等兵から始まり、戦闘での功績を重ねてここまでのし上がってきた貴重な存在である。
ただ、決して戦闘狂というわけではなく、戦場に出たらただ敵を堕とせたというだけだった。それだけ彼は強く、彼と共に戦場に立つ者はそれだけで勇気がわくとさえ言われている。
しかし、彼は上官には好かれない。なまじ実力が高いから衝突が多いこともあるのだが、なにより朋也が他人からの命令を嫌うからだ。
故にこの状況。
朋也とその隣の男は上官に嫌われ、転属と相成ったのである。
「・・・君たちはもう少ししゃきっとできないのかね」
その大佐の声には苛立ちがこめられている。まぁ、仕方ないだろう。一人はあくびをし、もう一人は聞いていないのだから。
「そんなだから君たちは上官から放り出されるんだぞ」
はぁ、とどうでも良いと言わんばかりの返事をする二人。そんな二人を見て、大佐の老人はもう諦めたのか、
「・・・人事を発表するぞ。岡崎朋也中尉、春原陽平軍曹の両名は本日付で第七部隊、通称キサラギ隊へ転属となった」
「キサラギ・・・?」
それまで無関心だった男―――朋也の悪友でもある春原陽平がその名前に反応した。
「キサラギって・・・あの新造戦艦の同型艦だよね」
「だな」
朋也の返事を聞き、陽平はへぇ、と笑みを浮かべた。
「なんだ、僕たち結構いいところに転属できんじゃん」
「みたいだな」
「ん、どうしたのさ岡崎。嬉しくないの?」
「妙だろ。どう考えても」
朋也の言い分は最もである。
上層部に嫌われている自分たちが、どうして連邦の一大プロジェクトであるカンナヅキ級戦艦量産計画の一角であるキサラギに配属されるというのか。そんなこと、その上層部こそが良い顔しないだろうに。
その朋也の考えが読めたのだろう、大佐の老人は、
「キサラギの艦長に就任した少佐から直々のお呼ばれだよ」
「は?」
直々にお呼ばれ?そんな馬鹿な、と心の中で一人ごちる。
自分たちは上官には好かれていない。それは自他共に認めることで、若干そうなるようにしてきた部分もある。
それはわざわざ仕事のなかった自分たちを連邦に入れてくれたあの人に申し訳ないような気もするが、自分はその人以外に命令される覚えはないし、そんなのは聞きたくもない。子供じみているようだが、これは譲れないことだった。
「ふぅん。僕たちもなかなか有名になったものだね」
「いや、春原軍曹はおまけだそうだ」
「・・・なんか扱いに差を感じるんですけど・・・?」
涙する陽平の姿など朋也にとって最早あってないに等しい。
「その少佐の名前は?」
訊ねる朋也に、大佐はなにか含んだ笑いをすると、
「一ノ瀬ことみ少佐だ。・・・知っているだろう?」
そう答えた。
ネオジオン第九艦隊。通称、ディープスノー隊。母艦はグワンバン級戦艦グワンゾンで、僚艦六隻の計七艦で編成されている。
地球侵攻の剪伐隊として送り込まれた隊の一つで、その戦績はどの隊にも勝るエリート集団だ。
「次の目標は、日本の横浜基地・・・か」
呟く声は母艦のブリッジ、艦長席に座る少女の発したものだ。
彼女こそこのディープスノー隊を総指揮する者。その名も深山雪見である。
その類まれなる指揮能力と、抜群の部下からの信頼度から、その若さにして中佐。そして第二の秋子とも呼ばれている。
しかしそんな雪見でも今回の本国からの命令は乗り気ではなかった。
「横浜基地を落とせって言われてもね・・・」
そう。今回命令されたことは主に三つ。
横浜基地にて製造されているカンナヅキ級三番艦キサラギの破壊。新型MS、ガンダムの奪取、あるいは破壊。そしてその後横浜基地を落とすことだ。
この作戦、正直言ってかなりきつい。
やれやれと暗い思考に埋まっていると、五人の少年少女たちがブリッジへ入ってきた。
「どうしたの、艦長。なんかあった?」
そう声かけてきたのは柊勝平。
《元気なさそうなの》
スケッチブックにそう書くは上月澪。
「今回の作戦に何か心配なことでもあるのかしら」
美坂香里、
「深山さんがですか? それはちょっと信じられないですね」
鹿沼葉子、
「ま、たまにはそういうこともあるんじゃない?」
巳間晴香の五人である。
「あら、どうしてみんながここにいるの?」
現在は一応第二戦闘配備中だ。パイロットはMSにて待機のはずである。
「いやー、暇なんだよねー。こう、なに?もっとこう、緊張感がほしいよね」
答えたのは勝平だ。雪見は呆れたように吐息一つ。勝平にちょいちょいと手招きすると、
バシーーーン!
「いったぁぁぁぁぁぁ!」
「あんまり馬鹿なこと言ってると頭叩くわよ?」
「もう叩いてるじゃないかー。もう、なんてお約束なんだ」
結構いい音がしたことからわかるが、かなり痛かったようだ。冗談抜きで涙を流している。
「まさか他のみんなもこんな理由じゃないでしょうね?」
半目で睨む雪見から視線を外す澪と香里と晴香。葉子は我関せずと言った風に目を閉じている。
「・・・まったく、あなたたちは・・・」
「まぁまぁ、いいじゃないか。人生こんなもんだよ」
バシーーーン!
またいらぬ突っ込みを入れた勝平に神罰が下る。
「いったー!二度も叩いたね!?傷が残ったらどうしてくれるのさ!」
「みんな。あともう少しだからちゃんと待機してて」
「うわー、綺麗に無視されたー」
嘆く勝平を無視して退散していく香里たち(澪だけはぺこっと頭を下げたが)。その背中をしばらく眺めて、
「たまに思うんだけどさ、ボクの扱いってひどいよね?」
「あなたがろくに訓練も受けてないくせに隊長なのが気に食わないんじゃない?」
「うーん、ボクも別になりたくて小隊長になったわけじゃないんだけどな」
「ま、実際あんたの状況把握能力はすごいんだけどね」
「あはは、照れるね」
「これでパイロットとしての技量も備わってればねぇ・・・」
「あ、はは、ははは・・・」
雪見の深いため息に、苦笑でごまかすしかない勝平であった。
横浜基地は他の連邦の基地に比べるとかなりせまい部類に入る。
土地柄仕方ないと言えば仕方ないのだが、連邦の一大プロジェクトが行われるには武装も人員も少々心許ない。
朋也は狭い廊下を歩きながら、窓から見える基地の要望を眺めてそんなことを考えていた。
「おい、岡崎。そっちはキサラギのある方向じゃないぞ」
後ろからそう声をかけてくるのはもちろん陽平だ。少々機嫌が悪いのはおまけ扱いのせいだろう。
「いや、ことみに会うんならこっちであってる」
「ふーん。その一ノ瀬って奴がどういうやつか僕は知らないけど、随分と仲良さそうだね」
「・・・どうもな、あいつを見てると放っておけない」
朋也のその言葉に陽平はおもしろそうに口を歪めると、
「へぇ。そんな言葉が岡崎の口から聞けるなんて夢にも思わなかったよ。なに、もしかして彼女?」
「ああ」
「ははは、そうだよね。まさか彼女だなんて―――って、え゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「声にならない叫びを上げるな、馬鹿」
「い、いや、だってさ、ほら、ええと、だって岡崎だよ?まさか、ねぇ?はは、冗談はいけないなぁ岡崎」
ひどく動揺する陽平。なぜか脂汗なんかを浮かべながらぱしぱしと朋也の肩を叩いていたりする。
「冗談なんだろ、岡崎?」
「お前さ、なんか痛いぞ」
「冗談だと言えぇぇぇぇぇぇ!」
「やかましい」
朋也は悶える陽平を無視して再び歩き出す。と、その視線の先に見知った少女の姿があった。
「あ、朋也さん」
「よ、栞。元気か?」
「はい、私はとっても元気ですよ」
片手を挙げた朋也に元気良く返事したのは美坂栞。この基地内にある軍病院でつい先日大掛かりな手術に成功した少女だ。
「毎回毎回思うんだが、暑くないか?」
「え、これですか?」
そう言って栞はそれ、体に巻いているストールをちょこっと掴む。夏だと言うのにそれは見ているだけで暑苦しい。
「これはお姉ちゃんから貰った大事なものなんです。朋也さんだって知ってるはずですよ?」
「まぁ・・・な」
それは知っている。なんといっても病院で腐るほど聞いたのだ。
「あれ、この子、誰?」
と、いつの間に復活していたのか陽平が朋也の肩越しに栞を眺めていた。
「へぇ、かわいいね、君。どう、僕の彼女にならないかい?」
「え、え?」
馴れ馴れしく栞に近づくといきなり手を取ってそんなことを言う陽平に、困った顔で栞は朋也の顔を見る。
「春原。お前は今着実に変態への道を早足で歩いてるぞ」
「うるさーい!岡崎には僕のこの傷心した心なんてわかるわけないんだ」
「傷心した心って、お前、頭痛が痛いって言ってるぐらいに馬鹿だぞ」
「やかましい、人の揚げ足を取るな! で、どうかな?自分で言うのもなんだけど、僕って結構いけてると思うんだよね」
「しかも超ナルシストな」
もう陽平には朋也の言葉は届かない。栞に向かって笑顔を向ける。と、
「うわ」
栞の口からそんな言葉が漏れた。
「ねぇ岡崎、今聞いた!? 僕の二万ドルの笑顔に対して『うわ』って言ったよ、この子!?」
「普通の反応だ。っていうか中途半端に安いのな、お前の笑顔」
「ねぇ、君。参考までに聞きたいんだけど、僕のなにが『うわ』なのかな?」
こめかみあたりをヒクつかせながらも、なんとか笑顔で聞いてみる。すると、栞はおずおずと(というより怖がりながら)口を開く。
「えっと、ですね・・・。怒りません?」
「うん、怒らないからさ」
「・・・・・・・・・・・・全部、です」
「お前ぇぇぇぇぇぇ!」
「やっぱり怒るじゃないですかー!」
怒り狂う陽平から逃れるように、朋也の背後へ回る栞。
「見てないで助けてくださいよー」
「悪いが、俺にあの変態をとめる術はない」
「人のことを変態呼ばわりするなー! っていうか、岡崎! お前彼女がいるんだったらその子から離れろ!」
「え・・・?」
打ち震える陽平の言葉に栞が反応する。
「朋也さん、彼女がいたんですか?」
「いや、いない。あの馬鹿の馬鹿な妄想だから気にすんな。馬鹿になるぞ」
「馬鹿馬鹿連呼しないでほしいんっすけどね! しかも、お前さっき自分で言ったじゃねえか彼女いるって」
「んなもんお前をからかうためのでまかせだ馬鹿」
あまりに馬鹿馬鹿連発され固まる陽平。
それを好機と判断。
「それじゃ、栞。後はお前に任せた」
シュタっと手を挙げてさっそうと逃げ―――、
「任せないでください!」
・・・られなかった。
いつのまにか朋也の左腕を栞が両腕でがっちりホールドしている。むぅ、とむくれる栞に、朋也は一瞬ホールドされている腕を見下ろし、再び顔を上げて、
「栞ってさ、やっぱ胸ないよな」
「〜〜〜〜〜〜!!?」
栞、恥ずかしさと怒りに顔を瞬時に赤く染める。
「と、ととと、朋也さん!!」
思わず殴りかかろうとして、
「よっと」
「あ!」
腕のホールドが解ける。するりと腕を抜いた朋也はそのまま逃走。去り際に、
「もっと牛乳飲んだ方が良いんじゃないか?」
笑ってそう言った。
「朋也さんっ!!」
後に残ったのはわなわなと震える栞と、微塵も動かない陽平の姿だった。
廊下をしばらく走った後。
「やれやれ・・・。栞には少し悪いことをしたかな」
立ち止まり後ろを確認。追って来てないことに安堵し、朋也はゆっくりと歩き始めた。
「さて、とりあえず本意を聞き出さないとな」
そうしてしばらく歩くと立ち止まり、朋也は視線を上げた。
その先、資料室と書かれたプレートと扉がある。
この基地に本がある部屋といえばここしかない。しかし・・・、
「資料室って言うとあいつを思い出すな」
頭に思い浮かぶのはいつも笑顔を浮かべていた少女。
『誰もが笑顔で暮らせる、そんな平和な世界をわたしは創りたいと思うんです』
「・・・あいつ、今頃どうしてるかな」
感傷だな、と自嘲する。
頭を振り、思考を元に戻すと朋也は目の前の扉を開けた。
視線の先、この部屋の一番奥、隅のほうに尋ね人はいた。周りに幾多もの本を転がして、靴下を脱ぎ、ぺたんと床に座って本を読みふけっている、少し子供っぽい髪飾りをした少女。
(変わってないな。やっぱり)
少しの喜びを笑みに浮かべ、朋也は口を開いた。
「ことみ」
呼ばれ、その少女―――、一ノ瀬ことみは本からその瞳をこちらに向ける。と、
「あ・・・」
嬉しそうに笑った。
「朋也くんだ」
立ち上がり、ぱたぱたとこちらに駆けてくる。目の前まで来るとこちらの手を握ってきた。その感触を確かめるようにぎゅっと握り、
「うん、朋也くんだ」
「手を握らないと俺だってわかんないか?」
ふるふると首を横に振る。
「久しぶりだから」
「う・・・」
本当に嬉しそうに笑うことみのその視線に見つめられ、少し顔が熱くなっていくのを朋也は自覚する。
(綺麗になったよな)
ことみの頭からつま先までを見回してみる。昔よりもスタイルが良くなったせいか、大人っぽくなったように見受けられる。かわいい、と言うより綺麗、の方がしっくりくるぐらいだ。
「朋也くん?」
「え、あ?」
いきなり顔を覗き込まれ、あわてる朋也。
そのつぶらな瞳が妙にくる。・・・いろんな意味で。
あー、と朋也がどぎまぎしていると、
「ふふふ、仲、良いんだね」
不意に笑い声が聞こえてきた。方向は―――後ろ。
即座に振り返り内ポケットに入っている銃に手をかけ、
「あ、みさきちゃん」
ことみの声に動きが止まった。
ギギギ、と効果音が鳴るような遅さで首だけをことみの方へ振り向かせる。
「・・・知り合い、か?」
「うん。川名みさきちゃん。私の友達」
「川名・・・みさき!?」
もう一度確認するように振り返る。
そこに立つのは一人の少女。いや、女性と言ったほうが正しいか。綺麗な長い黒髪、ふんわりとした雰囲気、動かない瞳、そして首元の大尉の階級。・・・間違いない。
「・・・川名みさき大尉。『盲目の緑風』がなぜここに?」
相対する女性、川名みさきはあれと、呟き、
「ことみちゃんから聞いてないの?」
「なにを」
「そっか。まだ聞いてなかったんだ」
うんうんと一人納得いった風のみさき。チラッとことみのほうを見て自分を指差す。ことみは首を縦に振った。
「うん、それじゃ私から言うね。今日から私と岡崎くんは同じキサラギ隊の一員なの。ということで、よろしくね、『爆炎のジョーカー』さん♪」
「は・・・?」
呆ける朋也に、みさきはにこっと、少し悪戯っぽく微笑んだ。
太平洋を行くグワンゾン。ディープスノー隊はいよいよ横浜基地を目前にしていた。
「そろそろ気付かれるわね」
あと数分もすればレーダーに引っかかる範囲に入るだろう。そうすれば戦闘が始まる。
雪見はディープスノー隊全員に聞こえるように、通信をオープンにする。
「各艦、MS発進。その後、基地を強襲するわ。MS部隊は連邦にわたしたちの力を見せ付けてやりなさい」
雪見の言葉にオォォ、と艦が揺れた。
うららかな日差しの中(だと本人は思っている)、怒りでぷろぷりしながら基地の外を歩く少女が一人。
「まったく、朋也さんにはデリカシーと言うものが欠けてますっ!」
もちろん栞である。
「そもそも朋也さんは女心というのをわかっていません」
あれから固まった陽平を処理するのにだいぶかかってしまった。その苛立ちも相まって栞の独り言は止まることを知らない。
そんな時、
「え・・・」
突如なにかが頭を過ぎった。
「なに?」
きょろきょろと辺りを見回す。明確な嫌な予感がするのだ。
「え、上!?」
閃く感覚が、上からの悪寒を伝える。弾かれたように視線を上げると、
「あ・・・!」
そこから多数のミサイルが、落ちてきた。
しばらく思考が吹き飛んでしまった朋也は、ハッとしてぶんぶんと頭を振ると、
「ちょ、ちょっと待て! どうしてあんたみたいなレベルの人間がキサラギに!?」
「キサラギは連邦の一大プロジェクトだよ? 私や君が就任するのは普通だと思うけど?」
「いや、確かにそうだが・・・。って、俺とあんたを一緒にしないでくれ」
「うわ、初対面なのにすごく失礼なこと言うんだね、君」
「ああ、いや違う。そういう意味じゃない。そういう意味じゃなくて、あんたみたいな壮絶な人間と俺を一緒にしないでくれって意味だ」
「私そんな壮絶な過去送ってないよ?」
「単機で一つの基地つぶすのは壮絶じゃないのか?」
「それ言ったら、岡崎くんだって単機で一個大隊壊滅させたって聞いたけど?」
「スケールが違うだろ、スケールが」
もしここに第三者がいれば、どっちも壮絶だと突っ込みをいれていたところだろう。突っ込みをいれるべき存在のことみは、にこにこしながら二人を眺めるだけだ。・・・そもそも、ことみに突っ込みを求めるのは少し野暮だが。
「ま、とにかくこれからは同じ部隊なんだし、仲良くしようね」
そう言ってみさきは右手を差し出す。
なにがとにかくなのか朋也にはわからなかったが、とりあえず差し出された手を握った。
「えへへ」
みさきは微笑みながら握手した手を上下に振る。
「・・・・・・」
なぜだか妙に恥ずかしい朋也だった。
と、
「「―――っ!?」」
突如朋也とみさきの顔に緊張が走る。
「敵か!」
「近いね。・・・来る!」
みさきの言葉が終わるや否や、基地が大きく揺れた。
そして鳴り出す警報。
「遅いだろ」
言ってみるが、過ぎた事に文句を言っても仕方ない。朋也は周囲を確認する。
「ことみ、川名大尉。大丈夫か?」
「私は平気だよ」
「大丈夫なの」
返事を返す二人に頷く。朋也はことみのほうを見やり、
「キサラギは発進できるのか?」
ことみはこくっと頷いた。よし、と朋也は呟き、
「ことみと川名大尉はキサラギへ」
「朋也くんは?」
「俺は忘れ物がある。先に行っててくれ」
「でも・・・」
「うん、わかったよ。行こう、ことみちゃん」
渋ることみの手を引いたのはみさきだった。
「みさきちゃん」
「ここは岡崎くんを信じようよ。ね?」
みさきの言葉に、おずおずと、しかしちゃんと頷く。
それを確認し、みさきは朋也に振り返ると、
「私たちは行くね。ちゃんと後で追いつくんだよ?」
笑顔で言い、みさきはことみと一緒に資料室を出て行った。
「さてと」
二人を見届け、朋也も動くことにする。
はたして、陽平はまだそこにいた。
陽平の顔にはセロハンテープでくっつけられた紙が一枚。
『触るな、危険』
「やるなー、栞」
朋也の純粋な感想だった。
「って、そうじゃないだろ。おい、起きろ春原」
ぱしぱしと頬を叩いてみるが、目覚める気配はない。
「仕方ねえな。せーのっ・・・そりゃ」
「ぐわばぁ!!」
数歩下がった後、助走をつけてフライングニーを脇腹にお見舞いする。直後、人のものとは思えない悲鳴をあげながら吹っ飛ぶこと約五メートル弱。埃を巻き上げながら止まった陽平はそのまま帰らぬ人へ―――、
「って、勝手に人を殺すなよっ!」
「あ、起きたな。それじゃ行くぞ」
がばっと跳ね上がった陽平の横を素通りし、そのまま走っていく朋也。
「ちょ、ちょっと待てよ。僕には状況がつかめないぞ。ってかどこに行くんだよ。ってかよくもやってくれたな岡崎ぃぃぃ!」
「やかましい」
「ぐわばぁ!!」
あまりにもうるさい陽平に対し、朋也はユーターンして再びフライングニー。さっきの反対側の脇腹にジャストミートした。またも吹っ飛んでいく陽平を見て、
「しまった。こんなことをしてる場合じゃなかった」
我に戻る。だが、これ以上陽平にはかまっていられなかった。
「ネオジオンが攻めてきた。俺は行くからお前も早く行けよ」
それだけ言って朋也は走っていった。
「いたた・・・。おい岡崎、それはどういう・・・っていないし!」
そこに残ったのは顔面埃まみれの陽平だけだった。
「わっ!」
近くの建物に流れ弾が突き刺さる。
「早く、逃げなきゃ」
突如として始まった戦闘に栞は逃げ惑っていた。
兵士たちも突然の強襲に半ばパニクッており、避難勧告すら出ていない。
この基地の軍病院には一般人が入っていることを失念しているのだろう。
「仕方ないと言えば、仕方ないのかもしれないけど・・・」
それでも、やるせなさは残る。と、
ドォン!
「きゃっ!」
再び爆音。ネオジオンのミサイルが近くに落ちたようだ。
ぐらつく足元に、それでも踏ん張って堪える。そしてそのまま走り出す。今は一刻も早くここから逃げなければ。・・・と、
「あれ・・・?」
なにか怪訝に思い立ち止まる。
「いまなにか聞こえたような・・・」
耳を澄ましてみる。爆音の合間。確かに何かが聞こえた。
辺りを見回してみる。すると、視界に何かがよぎった。それは、
「子供!?」
泣き声をあげる小さな子供だった。
どうしてこんなところに子供が、と考えるより先に栞は駆け寄っていた。
「大丈夫!?」
近づき、声をかけてみる。すると、その横に車椅子が転がっているのが見えた。
(病院の子だ!)
確信するや、少年の体を抱き上げる。
「大丈夫だよ、いまお姉ちゃんが安全な場所まで連れて行ってあげるからね」
いまだ泣きじゃくる少年に笑顔を見せると、栞は駆け出した。
キサラギのある格納庫はなんとか無事だった。調整もギリギリ全部終わっている。
それらを確認し、ことみとみさきはキサラギ艦内へと入っていく。
「みさきちゃん、頑張って」
「うん。ことみちゃんもね」
頷き、ことみはブリッジがある方向へパタパタと走っていった。
「さてと、私もいきますか」
みさきは即座にキサラギのMS格納庫へと走ると、そこにある二機のガンダムを見上げる(見えているわけではない)。
その右側、黄色に塗装された機体に乗る。
「私は射撃苦手だし・・・良いよね」
一人そう呟くのはわけがある。
実は本来みさきが乗る予定だったのはこれではなく、左側の緑色に塗装された機体、ガンダムウインドであった。
が、みさきは一見しただけでこっちの機体、ガンダムタイガーに惚れ込んでしまったのだ。
もともと接近戦の方が得意なみさきには、接近武器をビームサーベルしか積んでいないガンダムウインドよりもいろいろな武器を内蔵しているこちらの方が性にも合っていた。
つまり、みさきはこのごたごたに便乗してガンダムタイガーのパイロットになってしまおうと考えているのだ。
システムを起動させる。稼動音とともに次々と電子パネルに光がともる。
「システム、オールグリーン。エネルギー、良し。弾薬、確認。・・・うん、いける」
各種のチェックを終了させ、みさきはタイガーをカタパルトに接続する。
「川名みさき、ガンダムタイガー、出るよ!」
「川名機、出撃しました」
「うん」
オペレーターの言葉に、ことみは艦長席に座って頷く。
「状況は?」
「はい。現在横浜基地は七隻のネオジオン艦に攻撃を受けています。MSも出撃してきているようですが、こちらの防衛の対応は遅く、防衛のMSもまだ半分も出てません」
「戦況は良くない・・・」
オペレーターの報告を受け、ことみは目を瞑る。
その頭の中では高度な思考がフル回転でこれからの行動をシミュレートしている。どれが一番有効か、どれが一番効率が良いか、そしてどれが一番みんなを守ることが出来るか。
ことみはゆっくりとまぶたを開ける。
「敵艦隊の配置は?」
「モニターに出します」
表れた横浜基地の地図の上にはいくつかの赤い点。敵を示すマーカーが打たれている。それを確認し、ことみは頷く。
「艦首上げ、。三連圧縮メガ粒子砲チャージ開始。完了と同時に射線を十一時に固定。八十九メートル前進して発射。発射と同時にミサイル五番から七番まで展開。ポイントX−二十三に発射。着弾後、百七十メートル後退」
「了解」
複雑な命令をオペレーターは一言で片付けると、テキパキとこなしていく。
「三連圧縮メガ粒子砲、発射します」
「うん」
ことみが頷くと同時、キサラギの主砲が火を吹いた。
横浜基地を西側から攻めていた二つの艦は徐々に前進していた。
「ミサイル打ち尽くせー! 連邦に目に物を見せてやるのだー!」
そのうちの一つ、エンドラ級戦艦エンガルの艦長はご機嫌なのか笑いながら命令を飛ばしていた。と、
「こ、高エネルギー反応!」
オペレーターの悲鳴のような声がその笑顔を消し飛ばした。
「目標は!」
「射線確認・・・、エンデルです!」
その言葉は既に遅い。艦長の視線の先、平行して進攻していたエンデルは高出力のビームに貫かれ撃沈した。
「くっ、おのれ連邦めぇ!敵はどこから撃ってきた!」
「方角、三時! 距離、約三千五百!」
「ミサイルは届かんか!ならば、メガ粒子砲撃てー!」
艦長の言葉と共に、エンガルから二条のメガ粒子砲がキサラギへ放たれる。が、
ドドドォン!
「なにー!?」
そのメガ粒子砲はどこからか降ってきたミサイルの爆発によってかき消されてしまった。
「どこから!?」
「いえ、どうやら敵艦があらかじめ撃っておいたミサイルのようです」
「なんだと!」
オペレーターの言葉に艦長は愕然とする。
つまり最初から今までの行動を全て計算されていたということだ。
艦長は悔しさに歯噛みする。
「もう一度メガ粒子砲を撃て!もうミサイルはないはずだ!」
「無理です! 敵艦、既に射程外へ後退しました!」
「な・・・!?」
あまりにも洗練された行動。艦長は驚きを通り越して唖然としてしまった。
シミュレート通りの動きに、ことみは満足そうに頷く。
「エネルギーは大切にしなきゃ駄目なの」
「そうですね」
ことみの言葉にオペレーターは笑いながら頷く。と、
「あ、艦長」
「?」
「艦の下に人がいるのですが・・・」
「人?」
オペレーターは頷き、モニターに映像を映し出す。そこには少年と、その少年を抱えた少女がこちらを見上げていた。
「どうやら一般人のようですね」
「どうして一般人がここに?」
「軍病院の患者ではないでしょうか。この基地の軍病院は重い病気や怪我なら一般人も治療していましたので」
ことみはもう一度視線をモニターに向ける。
そこでは少女が何か一生懸命に叫んでいたが、さすがに音は聞き取れない。なのでことみはその口を読むことにする。
(この子が怪我をしています。医務室を貸してください)
確かにそう言っているように見える。
「艦を着陸させて」
「艦長?」
「あの男の子を医務室へ」
「ですが、それでは先ほどの艦の射程距離に・・・」
「大丈夫」
ことみの強い視線にオペレーターはしばらくの間黙ると、
「・・・わかりました。艦長が大丈夫だと言うのなら大丈夫なのでしょう」
負けたように吐息一つ。それを見て、ことみは静かに微笑んだ。
「キサラギはもう発進しちまったか」
上空に漂うキサラギを一瞥し、しかし仕方ない、とすぐ思考を変える。
「俺の機体は・・・!」
辺りを見回す朋也の視界に入ったのは、パニックに陥っていた作業員たちの姿だった。
「これだ、岡崎!」
そんななか、朋也を呼ぶ男の声が。
そちらを振り返り、そこにいた人物に朋也は驚いた。
「よ、芳野さん!?」
見慣れた作業着を着た青年、朋也の良く知る人物、芳野祐介であった。
「どうして芳野さんがここに?」
「そんな質問は後にしろ。いまはここを守ることの方が大切だ」
「確かに、そうですね。それで、俺の機体は?」
「これだ」
そう言って指差した機体―――いつのまにか朋也のカラーとなっていた赤に染められた機体がそこにはあった。
「これは・・・?」
その外観は今まで見たことのないようなものだった。ジムでもなければ、ガンダムでもない。
「これは現在量産機として開発されている機体、ジェガンの先行生産型だ」
「ジェガン・・・」
確かめるように名を呟き、朋也は首を縦に振る。
「なかなか良い名前っすね」
「そうか? そう思うならその名前に泥を塗るなよ?」
「わかってますよ。行ってきます」
言うが早いか、朋也は即座にコクピットに乗り込むと、システムを始動する。
「僕には?」
いつのまにか復活していつのまにか朋也に追いついていた陽平が期待の顔で祐介に駆け寄るが、
「お前に新型があるわけないだろう。とっととジムVで出撃しろ」
「・・・やっぱり」
現実は厳しかった。
『良いよな、岡崎は新型で』
「愚痴は後で聞いてやる。とっとと出るぞ」
『へいへい』
艦内ではないから出撃の宣告をしなくてもいい。朋也はそのまま格納庫から出る。すると目の前には三機の白いズサ。
「白い機体?こいつらディープスノー隊か!」
敵も突如現れた朋也に驚きながらも即座に攻撃してくる辺り、エリート隊と言われるだけはある。
放たれたミサイル郡を右によけ、すかさずスラスターを展開。ビームサーベルを抜き放つ。
それを見て、ズサのうち一機がこちらもビームサーベルを抜く。残りの二機はそれぞれ左右に散っていった。
「チームプレイか。小癪だな」
一機とビームサーベルで斬り合っているうちに残りの二機がこちらを挟み撃ちにする気なのだろう。
それをわかっていてなお、朋也は突き進んでいく。
目の前のズサがビームサーベルを振り上げる。それを見て、朋也は不適に笑った。
「あんまり俺をなめるなよ?」
下ろされたビームサーベルを、しかし朋也はビームサーベルではなくシールドで受け止めた。
感覚で相手が驚いているのがわかる。その間に朋也は持っていたビームサーベルを右に投擲し、その流れでビームライフルを抜くと左へ発射する。そのまま目の前のズサを押してバルカンを発射。
「チェックメイトだ」
右のズサにはビームサーベルが突き刺さり、左のズサはビームに貫通され、前方のズサはバルカンで蜂の巣になった。そして同時に爆発。
わずか数秒にして三機のMSを堕とす、この彼こそが『爆炎のジョーカー』と呼ばれる岡崎朋也の姿だった。
「どうも、ありがとうございます」
「いえ」
キサラギ艦内。船医に少年を預け、見てもらうこと数分。どうやら怪我もたいしたことないらしく、栞は大きく息を吐いた。
「さてと」
とりあえず、現在は戦闘中のため一般の部屋で待機しているように言われている。
栞は移動しようと動き出し、
「きゃっ」
突然揺れた艦に足を取られた。
(攻撃を受けてる・・・?)
その思考を肯定するように再度艦が大きく揺れる。
「私のせい・・・?」
疑念が浮かぶ。
もしかしたら自分が艦を止めてしまったせいでこの艦を危機にさらしてしまったのかもしれない。
「きゃあ!」
いままでで最も大きい揺れが艦を襲う。艦が大きく左に傾くのがわかる。
栞はそれに巻き込まれるように通路を転がっていく。
「痛っ」
転がった挙句、どこかの扉に背中を打ち付ける。扉はその衝撃に開き、栞はその部屋の中へと転がっていった。
「いたた・・・。ここは・・・?」
ぶつけた背中をさすりながら辺りを見回すと、すぐに目を引くものがそこにはあった。
それはハンガーに掛けられた一機の緑色のMS。
「ガンダム・・・?」
戦争に詳しくない栞ですら知っている。
その姿はある意味伝説となっている、連邦の象徴、ガンダムだ。
「でも、どうして・・・」
これだけの戦況でMSを出し惜しみする理由はないだろう。仮にもガンダムタイプなら、かなりの戦力になるだろうに。
そこまで考え、ある一つの可能性に思いが至った。
「乗る人がいないんだ」
どれだけ強力なMSであろうと、乗り手がいなければただのお飾りでしかない。
「・・・・・・うん」
栞はそのガンダムを眺め、決心したように頷くと、あろうことかそのコクピットへと乗り込んだ。
「確かシステムの起動方法は・・・」
記憶を模索する。
昔、まだ病院に入院していたときに、暇つぶしにと朋也が語ったMSの操縦方法を必死で思い出す。通常の人間より記憶力が高い栞ならではの行動だろう。
システムが機動。モニターに『No,4―――WIND』の文字が浮かぶ。
「うん。いける」
操縦法を全て思い出し、意気込む栞。そこに、
『どうしてあなたがそこにいるの?』
「わっ、痛っ!」
突如開いた通信、ことみの声と顔に栞は驚きのあまり頭を後ろにぶつけた。
『・・・大丈夫?』
「は、はい・・・。なんとか・・・」
プルプル肩を震わせ、半泣きになりながらもどうにか栞は頷く。一応、それを信じたのかことみは話を続ける。
『それで、どうしてあなたがそこにいるの?』
「そ、それは・・・」
栞は伊達に長い間軍病院にいたわけじゃない。襟の階級の読み方も知ってるし、目の前の少女が朋也よりも高い階級の人間だと言うこともわかるし、この艦でも重要な地位にいることもわかる。
栞は深呼吸をし、心を落ち着かせるとことみと向かい合う。
「お願いです。私をこのMSで出撃させてください」
『どうして?』
「私のせいでこの艦を危険に晒せてしまいました」
『それは私の判断。あなたのせいじゃないの』
「・・・そう言ってくれるのは嬉しいです。でも、それじゃあ私が自分を許せないんです」
『どうしてそこまでするの?あなたは一般人なのに』
栞は一瞬視線を落とし、しかしすぐに強い瞳を戻す。
「・・・もう、二度と目の前で大切な人に死んでほしくないんです」
『!』
「この状況で機体を遊ばせておくわけにはいかないです」
『・・・・・・』
「お願いします!なにもできないまま人が死ぬのを見るのはもう嫌なんです!」
栞の悲痛な叫び。ことみはしばらく逡巡すると、決意したように視線を上げ、
『・・・わかったの』
「あ・・・」
『あなたの思うままに。それが、きっと大切なこと』
「ありがとうございます!」
ことみの言葉と共にハッチが開いていく。ウインドをカタパルトに接続し、
『お名前は?』
「は、はい?」
これから出撃するというのにいきなりそんなことを聞かれ、きょとんとする栞。
『あなたのお名前』
「し、栞です、美坂栞。」
『私はことみ。一ノ瀬ことみ』
にこっと、笑いながら自己紹介することみ。そして、
『いってらっしゃい。栞ちゃん』
「あ・・・」
いってらっしゃい。それは、帰って来る者にかける言葉。それを栞は頭の中で反芻し、
「はい、いってきます。ことみさん」
笑顔で答えた。
「美坂栞、ガンダムウインド、いきます!」
オリジナル機体紹介
RX−90−3−T
ガンダムタイガー
武装:ワイヤークロー×2
ビームサーベル×2
ハンドビームガン×2
アイアンハンマー
ショルダーキャノン×2
頭部バルカン
*ビームバズーカ
特殊装備:シールド×2
<説明>
一ノ瀬ことみ氏が設計、アナハイムが開発した五機のガンダムのうちの一機。
大気圏内、主に地上戦を想定した作りになっており、五機のガンダムの中で最も装甲に優れている。
また、武器もそつなく装備していて近〜中距離までなら対応が可能である。オプションとしてビームバズーカも装備可能。
全体的にバランスよく出来ており、装甲が厚いと言っても決してスピードも反応も遅くはない。
一応宇宙でも戦闘できるようにはなっている。
主なパイロットは川名みさき。
RX−90−4−W
ガンダムウインド
武装:ビームサーベル×2
ビームライフル×2
ガトリングガン×2
頭部バルカン
特殊装備:変形
プロペラントタンク×2
<説明>
一ノ瀬ことみ氏が設計、アナハイムが開発した五機のガンダムのうちの一機。
大気圏内、主に空中戦を想定した作りになっており、図らずもZガンダムのコンセプトと似ている。
火力は五機のガンダムの中で最も少ないが、プロペラントタンクを装備していることもあり長時間の単独行動が可能である。
また、飛行形態へ変形しなくとも多少なら空中戦が出来る。そのぶんエネルギーの消費は高いが、そこはパイロットの判断に任せている。
こちらはガンダムタイガーと違い宇宙での戦闘は出来ない。
主なパイロットは美坂栞。
RGM−89
朋也専用ジェガン
武装:ビームサーベル
ビームライフル
連装ミサイルランチャー
60mmバルカン砲
特殊装備:シ−ルド
ダミー機能
<説明>
連邦の新型凡庸機として開発された先行型ジェガンを朋也用に多少調整した機体。
機体色は朋也のカラーリングである赤になっている。
主なパイロットは岡崎朋也。
あとがき
ことみ&栞最高。
ども、神無月です。
さー、さー、遂にでましたこの人たち。いやー、待ったかいがありました。
実はこのAnotherは最初から書く予定でした。祐一たちを本編として、ことみをサイドに置くことで世界観を大きくすることが目的です。
ちなみにAnotherはすぐに終わりが来ます。本編で祐一たちと合流するまでの話しですので、そこからは本編にお任せになります。
ま、こちらも楽しんでいただければ幸いです。
では次回。EpisodeZなら新キャラが三人(本のちょびっと出る奴も含めたら四人)登場します。AnotherUなら戦闘が開始されます。
いまんとこどっち書くかは不明。
では、お楽しみにー。