C,E,70
コロニー爆破という衝撃の事件から始まった地球、プラント間の「ナチュラル」による連合と「コーディネイター」によるザフト軍の二つの種族による戦争も地球、プラントの双方が核を打ち合い大量の死傷者を出すと言う結果に終わった。ある者は喜び、ある者は泣き、ある者はその憎しみをまだ胸に抱きつつも戦争は終結を迎えた。
地球とプラント、互いの国の中間点である月により終戦条約を向かえて二年が経とうとしていた。
今ではナチュラルとコーディネイターが共に暮らす都市も珍しくなく表向きでは有効な関係を築いていた。だがその裏ではナチュラルとコーディネイターによる種族間の小さな争いは決して少なくなかった。
新起動戦記SHUFFLE
第1話 「始まりは突然に」
彼、土見稟は悩んでいた。今、彼の目の前にいる女の子達、その男の子を含め容姿の方は17,8歳と言ったところだろう。通称土見ラバーズ。彼女らが言い争いを開始してもう既に五分は経っているだろ。だが一向に終わる気配がない。
「だから〜、稟君の隣には、私が座るの!」
いかに活発そうな女の子が叫んだ。
「だめですシアちゃん、これだけは譲れません。」
「私も・・・稟君の隣がいいです。」
まず先に鮮やかな蒼い髪の女の子がその提案は却下とばかりに声をあげる。それにつられて栗色の髪の女の子も遠慮がちだが同意の気持ちを示した。
「どうでもいいから早くしてくれ・・・・・・・。」
何気なく発した稟の一言が自らの首を閉める結果となった。
「じゃあ稟君が決めてよ。稟君は誰が隣に座ってほしいの?」
「そうです稟様が決めてください、それならみんな納得ですから。」
「稟君・・・・・」
女の子達三人がいっせいにこっちを見てくる。
まずい、こんな事になるなんてまったくの予想外だった。こうしてる間にも彼女たちの視線は稟に向かってきている。そして稟が瞬間的に出した答えという物は・・・・・。
「ジャンケンが良いんじゃないかな・・・・・ほら、公平だしみんなに可能性があるしさ、なっ。」
稟がそう言うと三人とも微妙な顔をしたがそれぞれに口にした。
「わかった、稟君がそういうなら!」
「私も絶対に負けません!」
「私も、がんばります。」
三人がむむむっとにらみ合いをして。
「「「ジャン・ケン・ポン!!!」」」
「稟君は何にしますか?、私はレモンティーにしますけど。」
稟の隣を見事に勝ち取った栗色の髪の女の子がメニューを開きながら聞いてきた。
ここで遅まきながら状況の整理と人物整理をしておこう。
今彼らがいるのは地球にある南アジアの赤道に程近い建国当初から中立を主張し続けてきた国、エルサである。なぜ彼らがこんな所に居るのかと言うと単に職業上こういう大きな都市に来ることが多かった。
彼らの仕事は連合、プラント、中立国に関係なく主に国を相手に対する仕事だった。
仕事としては護衛や物資等の運搬や奪還からMSを使用しての建設作業から解体作業まで幅広くこなしている。言ってしまえば「便利屋」だが人殺し等の類の仕事等は受けていない。それなりの境界線は張っているようだ。
そしてこの国に来たのも補給物資の調達と仕事の確保のためだった。
次に人物の整理をしておこう。
今稟の隣にいる栗色の髪の女の子の名前は「芙蓉 楓」、稟の幼馴染にして便利屋の設立当初からのメンバー。
次に目の前の席にいる活発そうな女の子、名前は「リシアンサス」、通称シア。稟達が仕事でプラントに行った時に親の元から半ば家出状態で強引に稟達に付いて来たのだった。
そして稟の斜め前にいる蒼色の髪の女の子、名前は「ネリネ」通称リン。ネリネなのになぜリンかと言うのにはまあ色々あるわけで、彼女もシアと同じで親の元から家出状態のまま稟達に付いてきたのだった。
「んっ?、稟君、どうかしたの?」
稟がそんな事をぼ〜っと考えていたら不意にシアが声をかけてきた。
「あっ、いや別に・・・・ただちょっとシアとネリネが「バーベナ」に来た時の事をちょっと思い出してたんだ。」
バーベナとは彼らが移動に使っている中古の戦艦である。大戦時破棄にされそうになった時、現艦長である元連合軍「紅き女帝」と名をとどろかせた紅薔薇撫子こと紅女史が終戦のごたごたにまぎれて連合を抜けるときに色々根回しをして手に入れた物だった。今ではそこに全員で生活している。
「私達が来た時の事ですか?」
ネリネが不意に声を上げた。
時間は1ヶ月前にさかのぼる。
その時の稟達の仕事の任務は「カグラからの大使をプラントまでの護衛」という任務だった。
カグラとは連合に属している国の一つで大戦後は他国との貿易を積極的に行っていた。それはプラントとて例外ではなかった。
通常はそういった任務はその国の軍などが行うのだがあいにく出払っており急きょ稟達が受け持つ事となったのだ。
その任務の途中、大戦の残党に襲われ、楓と稟の二人だけで対応しなければいけなかった。なぜ二人だけかというとあまり大人数で行動をするとかえって怪しまれるんじゃないかといわれ相性がよく相手のことをよくわかっているという事でこの二人がえらばれたのだった。
ここはプラントの都市部から少し離れた廃棄ビル街。空港でプラントの迎えの人に大使を受け渡そうとした所を残党に襲われた稟と楓は大使をかばいつつ逃げたつもりがうまく人気のないところにおびき出されてしまっていた。
銃声の鳴り響く中、楓と稟はまさに孤軍奮闘といった状態だった。回りは明らかに敵、敵、敵。見方の増援も見る限りなし、唯一いるのはプラントからの迎え兼護衛の人が三人とカグラ大使。相手の方は今までの経験からしてざっと二十人はいるだろうと思われる。
「楓、大使の人はどうした!」
稟が壁に身を隠しつつ時おりハンドガンで応戦しつつ反対側の壁にいる楓に声をかける。
「大丈夫です、護衛の方に預けてきましたから。」
「んじゃあとはあいつらだけだな。」
稟がまた壁の隙間からハンドガンで数人を打ち抜いた途端、背後からドガーンッという大きな音と共に楓がこちら側に転がり身を寄せてきた。
「手榴弾を使ったのか、っていうか何でそんなのまで持ってるんだ楓。」
一応彼らの通常装備はハンドガン一丁と予備のマガジンを一つ携帯している程度だった。そこに何故手榴弾が・・・・。
「備えあれば憂いなしですよ、稟君。」
ニコッと微笑むとまたポケットから手榴弾を取り出しピンを抜き前方に投げた。数秒後、爆発音と共に残りの敵を片付けようと身を乗り出したところ退き返していく人影が二人の目に入った。
「とりあえず難は去ったか・・・。」
「さあ今の内に早く大使の人を安全なところに。」
楓が声を上げるとプラントの護衛の人達が携帯で何やら連絡をとっているのがわかった。
それから数分後、彼らのもとに二台の車が到着した。どうやら直接応援を呼んですぐさまここを離れようという事らしい。
稟と楓は車には乗せてもらえず依頼完了の書類にサインだけもらいその人達とはそこで別れた。高貴な身分な人にしてみれば自分達の扱い等はこんなものだ。いまさら何とも思わなかった。
「さてと、依頼も終わったし帰るか。」
「そうですね、麻弓ちゃんもなるべく早く帰って来てって言ってましたし。」
「あれは艦の雑用が多くなるからそう言ってるだけだ。」
そんな会話をしながらビル街を抜けようとしたら前方から巨大な爆発音が聞こえた。
「何だ!」
「稟君、あれ!」
「なっ、あれはさっきの車・・・・それにMSだと。」
そこには先ほど送り出した二台の車が煙を出し炎上している姿と二機のMS、105ダガーが立っていた。そして105ダガーのコックピットが開き中からパイロットが出てきて車の中をあさりだした。
稟は驚きを隠せなかった。
馬鹿な、なぜプラントに連合のMSが・・・。
復興支援だとしても武装は解除しているはずだが・・・・。
様々な好奇心を胸にしまいながら稟と楓はそれに近づいていった。
「何をしているんだ、いったい。」
「何か探してるんでしょうか。」
二人が岩陰からこっそりと覗いていると中を片方のパイロットが気づいた。
「チッ。」
舌打ちするのと同時にこちら側に向かって腰から取り出した拳銃を発砲してきた。
片方が気づいたためもう一人の方も拳銃でこちらに向け発砲を開始した。
「またこういった展開かよ、くそ!」
このままでは岩が削れていき自分達に当たるのも時間の問題だ。そう考えた稟は楓にある提案をした。
「楓、俺がまずここから飛び出して相手の注意を引きつける、その隙にあいつら二人を狙ってくれ。」
その提案を聞いた楓が声を上げて反発した。
「そんな危険なこと凛君に任せられません、囮なら私が・・・・。」
まあ、楓ならこう反発するとわかりきっていたので強引に事を進める。
「いくぞ・・・・・3、2、1、ゼロ!」
掛け声とともに凛が猛ダッシュした。
「稟君!」
反射的に楓の目は稟を追ったがすぐさま稟を狙う二人組みの元に向き直り胸の内ポケットから出したハンドガンで二人組みのパイロットの体を正確に打ち抜いた。
「ハァ、ハァ、ハァ、・・・・。」
楓は緊張から開放されたかのようにその場に腰から崩れ落ちてしまった。
「ふ〜、相変わらず見事な射撃だ、楓。」
足音と共に気の抜けた声が楓の耳に入り込んだ。
「もうっ、稟君。」
ムウッと楓がこちら側を睨んできた。
稟の方は奇跡的にもかすり傷が数ヶ所程度にすんだ。
「ハハハッ、まぁ何とかなったからいいじゃんか、なっ。」
稟が無事といった事にホッとしたのか楓は表情を和らげた。
「・・・・こんな無茶、もうしないでくださいね。」
「まぁたぶんな。」
安易に約束しないところが自分をよくわかっている凛だった。
「う〜ん、それにしてもMSまで出してくるとは・・・・。」
「本当ですね、私もビックリしました。」
二人して車の爆発した付近まで行き回りをぐるりと一週物色した。
「あの二人は何を探してたんだいったい。」
稟が助手席側、楓が運転席側から車の中を覗き込む。車は二台ともエンジンを打ち抜かれており二台とも全焼していた。
辺りには人の肉の焼ける臭いが漂っていた。
二人はなるべく鼻で息を吸わないよう心がけ中の物を確認していた。
しばらく中を探してみたが特に何も見つからなかった。
「こんなありさまじゃぁ金品強盗ではないだろうし、何よりMSまで使ってそんな事はしないだろ。」
「そうですね、となると後は・・・・?」
急に言葉を詰まらせた楓に稟が目線を向ける。
「楓、何かあったか?」
「稟君、あそこに箱が。」
「箱?」
それは後部座席のあのカグラ大使の足元に転がっていた。
「何だ、これは?」
稟が手にとって見るが先ほどの爆発でかけてあった鍵が吹き飛んだのか中身が落ちてしまった。
「あっ。」
カシャッと言う音と共に中の物が姿を現す。
「これは・・・・DVD−RAM・・・か?」
稟がそれを手に取りながら楓に訊ねる。
「多分そうだと思いますが・・・・。」
楓と少し話し込んでいると何やら話が聞こえてきた。
稟は反射的にDVD−RAMをハンドガンとは逆の内ポケットにしまった。
「やっぱり強盗さんだってリンちゃん。」
「でっでもそんな悪い人達には見えませんよシアちゃん。」
「リンちゃん、見た目に騙されちゃ駄目だって。現に今車から何か盗ってたじゃん。」
「そっそれはそうですけど・・・・。」
盗ってたって・・・・。
声のした方に顔を向けてみると前方の車の陰に居た女の子達と目が合った。
「「あっ」」
二人の女の子の声が見事にハモッた。
そして同時に身を引っ込める。
いや、もう全部見えたんだが・・・・
一応稟は楓にも視線で合図をして胸の内ポケットに手を入れハンドガンを取り出した。
「そこの二人、手を上げてこっちに出て来い。」
稟はなるべく声を低くしてハンドガンを向けた。いくら無害に見えたが用心するに越したことはない。
楓も同様に構える。
「ほらほらリンちゃんやっぱ強盗さん何だよ、ああぁ私たちはきっとここで身包みはがされて人買いに売られちゃうんっすよ〜。」
「シッ、シアちゃ〜〜ん。」
そう言いながら二人は泣き出してしまった。
「りっ、稟君。なんだかとっても誤解されてるみたいなんですが・・・・。」
「激しく誤解されているようだ・・・・。」
この激しい妄想はカレハ先輩に通じるものがあるな・・・・。
こめかみを抑えながらハンドガンをおろし二人に近づいた。
「あのぉ・・・・すみませんが・・・・あの・・・。」
稟が声をかけると二人はこちらを見た後さらに混乱しだした。
「あのそのそれはあれでこれはそれでだからあのこのその@=|<>+L][@\/:,;/.」
「すっ、すみません。わっわたわたわたしししたした」
もはや何を言っているかわからない状態だった。
フーッと凛が一息つくと後ろから楓が声をかけた。
「あの〜、私達は別に何もするきは無いんですけど・・・・。」
楓がそう言うと蒼い髪の少女が恐る恐る声を出した。
「でっ、でも・・・・その・・・・。」
そう言って稟と楓の手に握られたハンドガンに目を向ける。
「あっ、・・・・っもう・・・・。」
バツの悪そうな声を上げて凛はそれを地面に放った。
それを見て楓もニコッとして同じようにした。
「さあ、これでちょっとは信用してもらえますか。」
すると二人の少女がゆっくりと顔を上げた。
「ほっ、本当に・・・・。」
先ほどシアと呼ばれた女の子が口を開いた。
「ああ、俺達はただ仕事から帰る途中だっただけだ。
「仕事って人殺しの・・・・。」
「断じて違う!」
稟が即座に反論すると楓が苦笑しながら自分達の名前から仕事や今回の任務らの説明を軽くすませた。
「で、君達の名前は?、何でこんな所にいたの?」
稟がそう問うと先ほどシアと呼ばれたブラウン色の髪の少女が先ほどとは打って変わって元気よく答えた。
「私の名前はリシアンサス、ちょっと長いからシアって呼んでね。」
次いで蒼い髪の少女が自己紹介をしだした。
「私はネリネです、良ければリンと呼んでください。」
稟が不思議そうにネリネに質問した。
「ネリネなのにリン?」
するとネリネがニコッと微笑んで凛の問いに答えた。
「あだ名のようなものです。」
「う〜ん、でも俺はネリネって呼ばせてもらうわ。自分の名前を言うのも変だし。」
「ふふ、わかりました。」
「それでお二人はいったい何をしていたんですか?」
稟とネリネの会話が終わるのを待って楓がシアとネリネに向かって質問をした。
「あははは、簡単に言うと家出っすよ。」
あまりにもハッキリと言われて理解するまで数秒かかった。
「・・・・はぁ?」
「だから、お父さんと喧嘩して行く所が無いからとりあえずそこの廃棄ビル街に行こうかなっと。」
稟はまた頭が痛くなるのを感じた。
「あのな〜、あんな所は人の住める所じゃないぞ。」
「そうですよ、危ないですよ。」
実際つい先ほど自分達が暴れたからではないがビルは崩れそうだし都市に住めない人などのたまり場になっている。
稟と楓もビル街を抜ける時に何度か襲われそうになってしまった。つまりそういう所なのだ。
「う〜ん、でもそうすると他に行く所が・・・・。」
「家には戻れないのか?」
「それはできません。」
ネリネが即答した。
「なっ、何でですか?」
楓がそう言うとネリネが答えた。
「だってお父様ったら酷いんですよ、過保護過ぎるんです。」
「そうだよね〜、ほんと失礼しちゃうよね〜。」
シアがネリネの発言に同意を示す。
「ちょっと聞いてよ稟君、カエちゃん。」
シアが淡々と話し出す。
「私達ももう17歳になるって言うのにまだろくに一人で買い物にすら行かせてもらえないんだよ、ちょっと酷くない。」
「そうなんですよ。」
「たちって事は二人は姉妹なのか?」
稟がそう訊ねるとシアが答える。
「ハハハ、違うよ。まあ親同士の中がいいから変わらないようなものだけど。」
シアとネリネが互いに顔を見合って苦笑を浮かべる。
「で、話に戻るんだけどそれでリンちゃんと二人で買い物に行きたいって頼んだんだけど行かせてくれなくて・・・・。」
「それで喧嘩したのか?」
「『この世間知らずがー』って言われたから、『世間を見てきてやるー』って。」
どうやらそんなやり取りがあったらしい。ネリネの方も似たり寄ったりらしい。
「それでこれからお二人はどうするんですか?」
楓がそう聞くと二人が困ったような顔をした。
「それなんだよね〜、問題は。」
「そうですね、私達はもともとあそこに行くつもりでしたし・・・・。」
ネリネがそう言ってチラッとビル街のほうに目を向けた。
「あそこに行くのは激しく賛成しないが・・・・。」
「・・・・ですよね・・・・。」
ネリネの声がだんだんとちいさくなる。
「稟君たちはこれからどうするの?」
シアが急に質問してきた。
「俺達はもう仕事も終わって後は帰るだけだけど・・・・。」
「じゃあさ私達も一緒についていっていい?」
シアの発言に稟は声を上げた。
「ついてくって俺達にか?」
「そうだよ、だって他に行くあてないし。稟君はこんな若い女の子二人もここで見捨てるの?」
いつのまにかネリネもこっちに顔を向けていた。
いや、そんなに目を潤ませてもらっても困るんだが・・・・。
チラッと楓の方に助けを求めたが。
「私は稟君がそれでいいならかまいませんよ。」
ニコッとあっさり返されてしまった。
この状態で断れるわけも無くしぶしぶうなづいた。
「わかった、一応頼んではみるけど・・・・あくまで艦長しだいだぞ、どうなるかは。」
稟がそう言うと二人の顔がパッと明るくなり・・・・
ガバッと二人が稟の左右の腕に抱きついた。
「ありがとう、稟君。」
「ありがとうございます、稟様。」
急に抱きつかれておろおろしながら楓の方に目を向けると・・・・。
ニコニコ。
かっ楓さん、笑顔が怖いです・・・・。
「そっ、そんなことより早く出発しないか。あまり長くいても気持ちのいい所じゃないし、な。」
「そうだね、うん、わかった今荷物もって来るね。」
「私も持ってきますね。」
そう言うと二人は稟の腕から離れ自分の荷物を取りに戻った。
稟は一息つくと楓の方に顔を向けた。
「楓はとりあえずあっちの方のMSを頼む、俺はこっちやるから。」
「わかりました、時間は30分でいいですか?」
「ああ、そんなもんだろ。」
そう言うと二人はMSに乗り込み携帯を取り出しプラグをさし何か操作をしだした。
「何してんの?」
下からシアの声がした。
「ああ、ちょっとな・・・・。」
そう言ってすぐさま稟はMSから降りてきた。
「楓、終わったか?」
「はい、もうちょっと待ってください。」
そう言ってすぐに楓もMSから降りてきた。
「よし、じゃあさっさとここから離れよう。」
その意見に楓も肯定の意を示す。
「そうですね、急ぎましょう。」
そう楓が答えると稟がシアとネリネの荷物を持って少し早歩きで歩き出した。
「あっ、あの・・・何かあるのですか?」
ネリネがそう聞いてきたので稟が答える。
「爆発。」
「えっ?」
シアが聞き返してきた。
「だから爆発、MSは足がつき易いからかかわって壊せるものは壊すようにしてるんだ。」
「今から大体30分後に爆発するようにしましたからなるべく早く都市部に入りましょう。」
それから15分後に俺達はプラントの都市部に到着し人ごみに紛れることができた。
車の爆発の事を少しばかり気にしていたがさほど問題はなかった。ビル街の連中が何かしでかした程度の解釈だったのだろ。
それから15分後に都市郊外から先ほどとは比べ物にならないくらいの大きな爆発音が聞こえた。
俺達はその爆発音をよそに地球行きのシャトルの予約をし地球へと渡った。
幸いにもあの件から俺達の素性が襲ってきた連中にばれた気配は無い。
地球に戻りバーベナのみんなにシアとネリネの事を紹介したが樹が両手を上げて喜んだのは言うまでも無い。
かくしてシアとネリネも便利屋の一員となった。
だが稟の頭の中にはまだあのダガーのMSのことがのこっていた。帰宅後紅女史に話しておいたから大丈夫だとは思うが・・・・。
そして現在
そんな事を話題に話していると不意に稟の携帯が鳴り出した。
相手は便利屋の一員、麻弓=タイムだった。
「麻弓か、何か用か?」
「あっ、土見君。ニュース、ニュース。大ニュース何とあのRAMのパスワードが解けたのですよ。麻弓ちゃん大手柄。」
「本当か、麻弓。」
「それでそれを見たなっちゃんが真剣な顔をして全員集めてくれって。」
「いったい何が入ってたんだ?、あのRAM。」
「さあ、何か文章と地図らしきものとMSらしき絵が出てたと思うけど・・・・私には難しすぎてチンプンカンプンなのですよ。」
「わかった、とりあえずそっちに戻る。ちょっと待っててくれ。」
「了解、了解。」
そして俺はその電話の内容をみんなに話バーベナへともどった。
そしてこの時を境に俺達の運命は大きく加速する・・・・
Gの名のもとに・・・・。
あとがき
はじめまして、ヤイバです。
こんにちは、SSを書くのはこれが初めてです。誤字、脱字などの指摘でもして頂ければ幸いです。
内容的にはSEEDの世界観の中のオリジナルストーリーといった感じです。
一応、 SHUFFLEとKanonのクロスオーバーの予定です。(まだKanon誰もでてないけど)
長い目で見ていただけるとありがたいです。
最後にここまで見ていただきありがとうございます。