「・・・お?おう!久しぶりだな」

「あぁ・・・お前か、久しぶり。懐かしいな」

酒場で酒を飲んでいた所、誰かが話しかけてきた

そいつは昔一緒の旅を共にした奴だった

「あぁ、そうだ・・・。お前知ってるか?」

「ん・・・?何を、だ?」

「ダ・カーポがウォーターサマーに攻め落とされたらしい」

「な、に?」

ダ・カーポが・・・か。

「しかももっぱら一日で落とされたって噂だ」

「一日・・・か。・・・皮肉なものだな」

故郷でもあり、もっとも思い出が無い土地。ダ・カーポ

有るといえば・・・。憎悪、嫌悪のみ、か。

故郷が落ちて嬉しいやら悲しいやら・・・。まったく難儀なものだな。

「そういえば、お前は・・・」

「言うな。自分でも分かっている。」

「そう、か。なら良いのだが」

あぁ・・・分かっている。自分でも嫌と言うほど、な

「それにしても・・・エア王国とクラナドに続いてダ・カーポも実質的陥落、か」

「そう・・・だな」

確かにクラナドは陥落、エアも実質的には墜ちたと言えるかも知れない。

現状況でエアが攻め入ったとしても、戦力的には確実に不利

まぁ・・・今攻め入るほどの痴態は晒さないとは思うが

「これも・・・全てあの連中がカノンを攻め落とした頃から始まったな」

「確か・・・相沢祐一、だったか」

「おいおい、それくらい覚えておけよ?今じゃかなり知れ渡ってるぜ」

「あぁ・・・すまないな、どうも情勢とかには興味が沸かないものでな」

「ははっ。お前らしいな」

相沢祐一・・・。カノンに反旗掲げ、カノンを滅ぼしたかと思えば

新カノンを立て上げ、三種族共存の道を歩みだした・・・

もっぱら反旗を掲げた理由は復讐なのだろうが、その後だな

今までの考えを覆し三種族共存の道を選んだ――

よほどの甘ちゃんか、それとも器量深いのか。

――まぁどちらにしろ

「興味があるな」

「お?意外だな、お前が他人に対して興味を持つなんて」

「なに、単なる甘ちゃんなのか、それとも偉人になれるような人物なのか――」

「「知りたいだけさ」」

「ははっ!その口癖は変わってないんだな?」

「まぁな。今の俺の原動力は探究心と言っても過言では無いな」

上手くカノンを纏め上げた新カノン国王相沢祐一。

その後にエアやクラナドと対立。

ワンと結託し、クラナドを陥落させエアを退ける。か

よく、纏め上げれたと思うものだ

本当・・・会ってみたい。無理かも知れないが、な

「そうだそうだ。風の噂によるとな、リーフ連合とカノン、エア、ワンがシズクを攻めるらしいな」

「・・・シズクを?」

「あぁ、エア、クラナドとカノン、ワンの決戦時にどうやらシズクが何度か現れているみたいだ」

「ほう・・・それは知らなかったな」

「それを見据えたリーフ連合がキー大陸の国々と六ヶ国会議を行ったらしいな」

「大方・・・リーフ連合は邪魔なものを排除する為に持ちかけたんだろうな」

「多分、な。こりゃどうなるか楽しみだな」

あぁ・・・楽しみだ。これからの動きに。そして何より――

「カノンの甘ちゃんに期待、だな」

「おいおい、カノンの国王を甘ちゃん呼ばわりか?ははっ」

「まぁ、な。俺からみれば復讐をせず生かし、三種族共存を選んだ。なんて事は甘いと思うのさ」

「それがお前が“甘い”と思う理由か?」

「あぁ。実際会ったり聞いたりすれば大方違ってくるんだろうけどな」

「ははっ。そうかそうかっ。流石相棒と認めた男だぜ」

「実力なんかじゃ足元にも及ばないかも知れないがな」

「だろうな。でもあの“空間”ならお前の方が強いんじゃないのか?」

「さぁ、な。幾ら俺に最高の環境と言っても相手が馬鹿みたいに強けりゃ意味が無い」

月とスッポンだ。

たとえ幾ら生き物が力を持とうが寿命には勝てない。

生きているからには必ず終わりと言うものがあるものさ。

“人”はどんな力を持とうと“神”にはなれない・・・

物事には決定的な“差”があるってものだ

「しかも、だ。あの空間なんてそうそう在るものじゃないさ」

「だろうな」

もしあの時、あの空間があったならば――

――俺はどうなっていたのだろうな

それこそ今更、か

「ところで、だ。何でお前がそんな情報知ってるんだ?6ヶ国会議なんてトップシークレットな物を」

「ん〜?俺の情報網ナメるなよぉ〜?こう見えても結構幅広い情報網を持っているんだぜ」

「ふふっ、そうか。お前らしいな」

さて、とやる事は決まったな。

カノン・・・今はそれを“知りたい”だけだ

「ふぅ・・・それじゃ俺は行くか」

「お?何処へだ?」

分かっているくせに何を今更。もちろん――

「カノンだ」

「ははっ!そうか!なら俺も着いていくぜ!久々にやろうじゃねぇか!」

「・・・良いだろう。俺に着いてこれるか?」

「モチのロンよ!何処までも着いていってやらぁ!」

あぁ・・・楽しくなりそうだ。

出来れば一目みたいものだ、「相沢祐一」を






「相棒・・・手前の動く理由は何だ?」



「友よ・・・手前が俺に着いてくる理由は何だ?」



「そんなの決まってるじゃねぇか!」



「そんなものは一つしか無い」



「相棒と共に・・・」



「友と共に・・・」



「「知りたいだけさ!」」









あとがき

始めまして、投稿させてもらったThe暇人です
いや・・・ふと思い浮かんだので書いてみました
正直、意味が分からないかもしれませんが
情勢を傍から見た感じ・・・と思っていただければ幸いです