いつもの通りの一日のはずだったんだ。
幼馴染連中を起こして登校し、休み時間に馬鹿やって、
昼休みにご飯を食べて(因みに今日は母さんの弁当じゃなく翠屋のデリバリーだ)
そして放課後、最初の生徒会会長としての仕事をして充実した気持ちで家に帰るはずだったんだ……
今俺に抱きついているこのアルクさえいなければ。
魔法会長祐一 第八話 「始動生徒会」
「ねえねえ祐一〜」
抱きつくアルクが俺に声をかけるたびに突き刺さる視線…否死線、
特に智代のが一番キツイ、まあ告白された身なのでしょうがないのだが。
「さっきから言ってるが俺は仕事中だ、よってお前の相手をしてる暇はない」
「でも仕事ってそのプリント読むだけでしょ?それに今も私にちゃんと返事してくれてるし」
「いや、一応全員で確認しないといけないから、まあ取り敢えず頼むから俺から離れてくれ」
「うん、分かった」
と素直に離れてくれるアルク、だがこの会話はこれでもう3回目
になる。
「取り敢えずアルクはさっき持って来てもらった差し入れでも食べててくれ」
「は〜い」
と結、恭子両先生の下へ行き差し入れを食べ始める今日の差し入れは料理部からのケーキだ、
けっこうな量があるが女の子が多い生徒会なら問題ないだろ。
因みに俺の分は保奈美が別に作ってくれているので甘いケーキを食わなくてもすむ、
いい幼馴染を持って俺は幸せだよ保奈美。
「あ〜ごほん!それでは第一回生徒会会議を始めたいと思う、
と言っても今日は議論したりすることはない、さっき言った通り唯の確認だ」
「相沢、確認も重要な仕事だ」
と久瀬に釘をさされてしまった。
「了解、それじゃあ有紀寧、説明頼む」
「はい」
有紀寧は席から立ち上がる。
「それではいよいよ明後日に迫った親睦旅行ですが、期間は一泊二日、向かう先は隆山地方の温泉街、
泊まる旅館は鶴来屋です、朝学園を出発、お昼前に到着後近くに山がありそこでバーベキューを楽しみます
その後鶴来屋でチェックイン、晩御飯まで各自の自由です、近くを散策するもよし、部屋で休むのもよしです、
ああ、それとプリントにも書いてありますが温泉は消灯時間前ならいつでも入れます。
そして最後に有志を募ったレクリエーションがありその後一時間程で消灯になります。
今回の旅行は本 館を丸々貸切にしたみたいで余程騒がなければ問題は起こらないと思います、太っ腹ですね、
ですが会長を筆頭に何をするか分からない人が学園には多いので一年の中央、風紀両委員会員に呼びかけはしていますよ会長?」
そういい笑みを浮かべながら俺を見る有紀寧、過去こういったイベントでは騒いで来たからしょうがないのだが。
「うぐっ!いくら俺でも会長になったんだそう問題になる騒ぎは起こさないぞ」
「信用できません♪
さて、翌日の行動ですが八時半より朝食となります、その後は二時まで自由行動になります、
お土産は旅館でも買えますがこの時間に街に出て買うのもいいかもしれませんね?
それでは何か質問はありませんか?」
「特にないかな?基本 的な事から細かい所までこのプリントに書いてあるし、ご苦労様有紀寧、観鈴」
「いえ、お仕事も楽しかったですから、ね、観鈴ちゃん」
「うん、色々大変だったけど面白かったよ祐君」
「そうか、さて、今回の旅行は本 来生徒会としての仕事ではないが、
生徒会員が全員一年生ということもあり俺達が管理を任された、
生徒会としては初めての仕事になるので無事終わるよう頑張っていこう、頼むぞ皆」
「「「はい! 」」」
全員元気よく返してきたと思うと女性人は差し入れのケーキも下へと向かっていく。
「恐ろしきかなケーキの魔力」
「何言ってるの祐一?」
「いや、気にするな、それとさっきから何度も抱きついてくるがこれは意味があるのか?」
抱きつかれるのは嫌じゃないんだが周りの視線や俺の理性がな〜。
「やっぱり」
「何がやっぱりなんだ?」
「祐一の近くにいればいるほど私にかかってる封印の効力が弱まってるのよ」
「封印って俺の先祖がかけたっていう?」
たしか前にそんな話を聞いたな。
「うん、だから私はこの学園にいるんだけどね、祐一の意思で私にかかってる封印の力を変えれると思うわ
もっと弱めてくれれば私も外に出れるし逆に強めれば私をここに縛る事が出来るはずよ」
「ふむ、なら一緒に親親睦旅行に行くか?まあ由紀子さんか和観さんが許可くれればだけど」
まあ十中八九許可が下りるだろうけど。
「うん!行く行く!そうと決まれば準備しなくちゃ、じゃあ行くね祐一」
「おう、また今度な」
生徒会室を出て行くアルクを見送った後、俺もケーキを食べるべく皆の下に向かう。
明後日の旅行、楽しくなりそうだな。
後書き
久しぶりに後書き、と言っても書くことないよ
てなわけで契約カードの絵を募集します
描いてやるぜ!ってな方がいればkumotorai@yahoo.co.jpまで
メールで送ってください、ファイル形式は問いませんので
次回から内容的には5話分ぐらい鶴来屋編です、お楽しみに
でわ〜