何時もは寝ぼすけ共を文字どうり叩き起こし
学校まで疾走し始まる一日が今日は違った始まり方をしていた。

早朝六時、相沢家の庭に祐一の姿があった。

「はっ!はっ!はぁ!」

氣で強化した身体より出される突きと蹴り、それを何度も繰り返し放ち続ける。



「ふっ!はっ!とりゃ!」

「朝から元気ね〜祐一は」

朝食を作りに下りて来てみると庭から声が聞こえてきたので覗いてみればそこには
父に教えられた型を繰り返している祐一がいるでわないか。

「魔法だけじゃ勝てなかったから今度は拳と魔法で挑むか、青春してるわね〜」

しばらく観察していると祐一は氣を練っている魔力を集めだした。

「祐一、まさかあれを?」




「ふぅ〜」

左手に氣を、右手に魔力を集めその二つを一つに合わせていく。

「集中しろ、二つを均一に合わせろ」

荒れ狂う風、舞い踊る草木、それを無視しつつ二つの力を一つにした球体を維持
そして少しずつその力を大きくしていく。

「よし、次は」

集めたその力を少しずつ拡散していき無力化していく
しばらくそうして集中し続け完全に力を無力化したところで一息つく。

「ふぅ〜コンディション良好、今日は勝つ!」

そういいながら祐一は拳を握り締めた。
仙氣と魔力の融合化、これが祐一の切り札である、
この技術はかなりの難易度を誇りそれをこなす祐一のレベルの高さを表していた。

閑話
難易度が高いといったがまずこの力、というより仙氣と魔力の両方を使える者がまず少ない事があげられる
そしてその少数の中のほんの一握りの者がこの力を扱えるのだ。

閑話終了


「さてと、汗流して飯でも食うか」

こうして祐一の長い一日が動き出す。





魔法会長祐一 第六話 「誕生!戦女神」 前編



朝、寝ぼすけ二人を起こし学校へと走り
昼はいつものおバカ三人とつるんで遊び
夕方生徒会室で惰眠をむさぼり
今はあの日と同じように校庭に立ちあの二人を待っていた。

「二日ぶりですね相沢祐一君」

「埋葬機関第七位弓のシエル」

「今日は逃がさないんだから」

「そして真祖の姫君アルクェイド・ブリュンスタッドとは、家の御先祖も厄介な審判者を残してくれたもんだな」

「こちらの事を調べてきましたか、ですがこちらとて前回が全力ではない事を教えてあげます」

そう言うと同時にシエルが黒鍵を投げ付けて戦いが始まる。

前回同様アルクが前衛、シエルが後衛なのは変わらないがその一撃一撃の鋭さ、
力強さは比にならないほど上回っていた、が、祐一とて前回とは違うのだ。

「「えっ?」」

通常なら後ろへ避け距離をとり魔法を放つのだが祐一はそれとは逆にアルクへ向かって黒鍵を交わし
爪を掻い潜り仙気を纏わせた左拳をアルクの腹部に叩き込む。

「・・・がぁ・・あ・」

「悪いな、俺は接近戦も得意なんだ」

「退きなさいアルクェイド!」

「遅い」

そう呟き祐一は後ろ右回し蹴りでアルクを吹き飛ばし

「六つの内四つか」

       フォーシューティング
風の魔弾 四つの狙撃弾

黒鍵を魔弾で打ち落とした

「この前は俺の油断とそっちの予想外の強さに退かざる終えなかったが、今度はそうはいかない」

「確かに、先日より戦い辛くありますが結果は変わりませんよ、
それで何時まで寝ているつもりですかアルクェイド」

「五月蝿いわよシエル、祐一さっきの攻撃氣を使ったでしょ?今でも痛いもの」

「正解、ばれたんなら最初から全力で行く!」

そういいながら祐一は仙氣を左腕に纏わせシエルに向かい走る。

「私だって接近戦が出来ないわけではありません!」

牽制に黒鍵を投げ懐からナイフを取り出し走るシエル。

「二人だけで盛り上がらないでよ!」

左からは腕に魔力を集めながらアルクが走り出す。

「少し止まってろ!」

そう叫びながら体を右に捻りアルクに右手を向ける

        セブンシューティング
雷の魔弾 七つの狙撃弾

「次!」

さらに捻りを加え体を正面に戻しその勢いを殺さすよう左腕を地面に叩きつける。

 せんけんしょうは
「仙拳衝波!」

腕を叩きつけた場所から波のように仙氣が放出さてシエルに向かい飛んでいく

「「甘い(です)!」」

アルクは腕を振るい魔弾をかき消しシエルは地を這う仙気を上空に飛びかわし黒鍵を投げようと構えるが

        せんけんらせんそう
「後ろだよ!仙拳螺旋槍」

「しまっ!あうっ!」

シエルの背中に螺旋の仙氣を纏った腕を殴りつけ地面へ吹き飛ばす、因みにこの技は足を使っても出来る

「もう一撃!」

「させないわよ!」

魔力を乗せた爪を振るい間に入る
それを仙氣纏った左腕で防ぎ一度離れる
とそこに黒鍵が飛んでくるが落ち着きをもって魔弾で打ち落とす。

「ねえシエル、本当にあれ祐一?」

「どこからどう見てもあれは相沢祐一でしょう、まあそう言いたくなる気持ちもわかりますが」

「うんまあね、たった二日で強くなりすぎ?」

「同感ですがあれが本来の力なんでしょう、前回はほぼ奇襲に近い形でしたし魔力しかつかってませんでしたから」

「まあいいけど、シエルここからは魔眼以外は本気で行くわ」

「そうですね、私も久しぶりに本気で行かせてもらいます!」

そう言葉を発し二人は高速行動を開始する

「悪いがこっちも負ける気はないんでね!」

そして祐一も高速行動に入り戦いはますます熱く凄まじくなっていく







祐一が二人と戦っている最中、この使い魔たちはある目的を持って学園の周りを探索していた。

「全く、あの二人相手に一人で戦うなんてマスターは無謀すぎます」

「だから私達がお相手を探しているのでしょう?」

「それにしても誰もいませんね〜、下校時間が過ぎた学校に近寄る人なんてまあ普通はいませんか」

そういいながら首を折りため息を吐くピロにカルラが声をかける。

「そんな事もありませんわよ、あそこにあるじ様のパートナーとして最高の素質を持った方がいらっしゃいますわ」

「あちらにいらっしゃる方ですか?あのお方は・・・智代様!」






「智代様!」

「うん?今誰かに呼ばれた気が・・・誰もいないか」

少し遠くまで買い物に出た帰り道、なんとなく学園の側を通って帰ろうと思いたった智代は
遠回りになるもの気に留めず歩いてた所だった。

「いえ、気のせいではありません智代様」

「お久しぶりですわ智代様」

そういい二人は智代の前に姿を現す、現れた二人に少し驚くも智代は冷静に対処する。

「お前達は・・・祐一の飼い猫だったな、賢い猫だとは思っていたが言葉を話すとは、それで私に何の用だ?」

「祐一様の為に御力を貸して頂きたいのですがよろしいでしょか?」

「祐一の為?」

「ええ、祐一様の為ですわ、詳しいお話は返事をお聞かせ頂いてから」

「我がマスター祐一様の為、御力貸していただけますか?」

刹那の間を待たず智代はこう答えた。

「いいだろう、祐一の為に私の力が必要なら幾らでも貸そう」

「ありがとうございます智代様、それではこの玉をお持ちください」

そういいピロは背に背負っているポシェットから玉を取り出し智代の前に置き
智代はそれを拾い上げる。

「それでわ行くましょうか智代様、私カルラに着いて来てください、道中ピロに事の説明をお聞きください、それでわ!」

「ああ、行こう!」

駆け出すカルラに送れずピロを抱えながら智代も走り出す。

「何が起こっているか知らないが祐一、私が行くまで待っていろ!」




飛び交う黒鍵、魔弾、カマイタチ、響く金属音と轟音、動き回る三人
常人には捉えられないスピード、高速の世界、そんな中二対一の戦闘ながらも祐一は
大きな怪我を負うことなく戦っていた、だがその戦闘を支えていた集中力も途絶えかけていた。

「くそっ、このままじゃキリがない、あの技なら一人だけ相手に出来るけど
二人の距離が離れない事には使えないしな、どうする・・・」

アルクの爪による攻撃をかわし反撃に出る前に三方向から黒鍵が飛んでくる。

「鬱陶しい!落ちろ!」

       スリーシューティング   クイックショット
炎の魔弾 三つに狙撃弾 三連高速撃ち

「右!左!後ろ!これで次は・・・ちぃ!」

黒鍵を追撃しアルクに向かおうとしたその瞬間一本の黒鍵が魔弾を突き破り祐一に迫る。

「火葬経典か!」

体制を崩し何とか回避に成功するも目前にはアルクが迫っていた。

「食らいなさい!」

アルクは魔力を上乗せした爪を全力で振るい祐一を吹き飛ばす。

「くぅ!かなり抉られた」

「これでお仕舞いです!キャトル!セット!トロワ!」

最初の三本で退路を塞ぎ次の三本で祐一を飛び上がらせ残りの三本で止めを刺す・・・はずだった。

「させん!」

そこに一人の乱入者が現れなければ。

「なっ私の黒鍵を蹴り飛ばした!」

「少し足が痛いが問題ないな、無事か祐一?」

「とも・・・よ・・・?」

「ああ」

グレーの長い髪をなびかせ優雅に構えるその人物

「あっ貴女は一体何者ですか!」

「高等部生徒会副会長坂上智代、会長相沢祐一の一力としてここに来た、
祐一を傷つける者は須らく私の敵だ、相手になろう」

坂上智代が現れなければ終わっていた戦いが智代の乱入により第二ステージへと移行する
祐一の最初の制約者、戦女神の名を冠する者の最初の舞台が今始まる。







あとがき
書き方変えてみました、どうでしょうこの書き方は?
感想頼みます
ってなわけで前編なんでそれ以外にはとくになし、次回決着で閑話を挟んで旅行編に突入します
この話で気付いた人がいるかもしれないんで一応言っときます、このSSはネギまとクロスしてます
北東魔法協会の使者として行くかも〜
それでわ本当にもうないです
でわ〜