アルクェイドとシエルの強者二人相手に右腕を中傷しながらも
祐一は五体満足で家に帰ってきていた。

「ただいま」

「おかえり祐一って随分とひどい格好ね」

「言い訳はしない、でも次は勝つ」

「体中怪我だらけの癖に言う事は一人前ね」

そういいながらも俺の体を見て回復魔法を唱えてくれる、なんだかんだ言っても母(夏子)はお優しいのだ。

「孫氏が言ってるだろ、己を知り相手を知れば百戦危うからずって、次はこっちも対策を練れるし何とかしてみせるよ」

「そっ、まあ頑張りなさい!」

そういい母は俺の背中を思いっきり叩く。

「痛いって母さん」

「しらな〜い、私は寝るからご飯食べたらちゃんと後片付けもしときなさいよ」

「へ〜い」

そういい母は寝室に戻り俺はリビングで晩飯を食べその後疲れの為にベットに直行するのだった







魔法会長祐一 第五話 「休息と対策」





時刻は10時を指す少し前といった時間、相沢祐一は気分転換のため、
お気に入りのコーヒーを飲みにある場所を目指していた。



「ふん♪ふん♪ふ〜ん♪」

目的地の前、一般的に考えると変わった制服で道を掃く女性が鼻歌を口ずさんでいた。

「おはようございます優希さん」

彼女の名前は羽根井優希、バイナリィ・ポットと呼ばれるネットカフェのウェイトレスで俺にとって最重要のカテゴリーに入る数少ない人物の一人である。

「あら?久しぶりじゃない祐一君、あっちょっと待ってね、今掃除終わらせちゃうから」

「急がなくていいですよ、まだ開店時間じゃないですし」

「いいのよ、私が急ぎたいだけだしそれに祐一君なら開店前でも閉店後でもALLOKよ」

そう優希が言うと上からも同じように声が聞こえてきた。

「そうそう、だから遠慮しなくていいよ祐一君」

そういいながら窓から顔を出す男性、彼は芦原洋一、このネットカフェの店長だ。

「お久しぶりですアキさん」

「久しぶりだね祐一君、今降りるからちょっと待っててね」

そうして少し待っていると洋一が店から出てきて俺を中に招く。
カウンターに一つだけ置かれているイス、それが俺の指定席で、そばにはパソコンのモニターが一つ置かれている。

「それじゃあ少し待っててくれるかな?その間ミリィと話してでもしてて」

「はい」

俺の返事を聞きアキさんは店の中に入っていく、そしてしばらくすると店内の電源が入りモニターにミリィが映る。

「お久しぶりですユウさん!」

「久しぶりミリィ、ワールドの復旧の方は順調?」

「はい!皆さんが手伝ってくれるので順調ですよ」

「そっか、俺も一度行かないとな〜」

そんな話をミリィとしていると優希さんが戻ってきてコーヒーの準備をしてくれる。

「お待たせ祐一君」

「ありがとうございます」

「最近学校忙しいんでしょ?」

「そうそう、なんでも生徒会長になったらしいね」

そういいながらアキさんと佳澄さんと知らない三人が出てきた。

「あれ?アキさん達に言ってないですよね俺?」

「うん、この二人に聞いたの」

そういい優希さんがバイトの子の二人を俺の前に連れてくる、この子達、どこかで見たような?

「初めまして、中等部3年の諏訪奈津子です、よろしくお願いしますね」

「はっはっ初めまして!中等部3年川中島里見です!ワールドでは御世話になりました!」

「ワールドで?ああ、あの時捕まってた子か、自己紹介が遅れたね、相沢祐一、
ワールドではユウって名乗ってたのは知ってるみたいだね、これからよろしく」

そういい俺は二人に笑顔を向ける

「「はぅ〜」」

「何時もながら凄い威力ですね、それでこの子が私が引き取る事になった」

「小津千歳です、よろしくお願いします”剣光のユウ”さん」

「さっきも言ったけど相沢祐一、こちらこそよろしくね、カーマイン」

「ばれてましたか」

「まあね、ワールド崩壊の時裏からサポートしてたからね」

「さあ、自己紹介もすんだし、仕事にはいろうか」

「「「はい」」」

元気のいい返事をしバイトの三人は店内に散って行く

「ねえ祐一君、私の事も知ってますか?」

「佳澄さんがミキさんって事ですか?」

「やっぱり知ってたんですね」

「ワールド崩壊時にデータが入ってきてしまって、知るつもりはなかったんですけどね」

「祐一君になら知られても大丈夫ですよ」

「そう言ってもらえると助かります」

「それじゃあ私は中で仕事してきますので」

そういい佳澄さんは中に戻っていく。
俺は優希さんに入れてもらった特撰コーヒーを味わいながら皆の仕事を眺めたりミリィとお喋りしたりしてまったりと過ごすのだった。




「祐一君用特撰コーヒーが三杯で900円ね」

「それじゃあ1000円から」

「100円のお返しね、それじゃあまた来てね祐一君」

「はい、今度は旅行から帰ってきたら来ます」

そうして俺はバイナリィ・ポットを後にし駅前まで足を延ばす。


「時間は昼過ぎ、さて、これからどうするかな」

と思考しようとすると後ろから声がかけられる。

「あれ?相沢君じゃないですか〜」

「結先生?」

後ろに振り向くとそこには小さな先生がいた。

「はい♪」

「ここでなにを・・・」

「お待たせ結って祐一じゃない」

そういい現れたのは恭子さんだった、まあ結先生がいるなら恭子さんもいるか。

「どうも恭子さん、その袋を見ると買い物ですか」

「そっ、結と一緒に春の新作を見にね」

「へぇ〜でも結先生の背丈じゃ服選びも大変でしょ」

「そうなのよね〜祐一はここで何をしてたの?」

「ぶらぶらと散歩でもしようかと」

「それなら・・・」

恭子さんが何かを言おうとするのを結先生が止めに入ってくる。

「ちょっと二人ともストップです!」

「もう、何よ結」

「恭子は黙っててください!」

「うっ」

「それで相沢君、恭子と私を呼んでみてください」

「はぁ?恭子さん、結先生」

「私だけ何で先生なんですか〜」

「いやまぁ許可もらってないし、結さんって呼んでいいならそう呼びますよ?」

「是非!」

「なら学校の外では俺の事は祐一って呼んでくださいね」

「はい、これからよろしくお願いしますね祐一君」

「こちらこそよろしく結さん」

「それじゃあ話も終わったみたいだし祐一これから私達に付き合わない?晩御飯奢ってあげるわよ」

「そうですね、いいですよ」

「本当ですか!それじゃあ早速生行きましょう!」

そういい張り切る結さんに手を引っ張られ買い物に付き合うことに。




「この服はどうですか?」

「結さんには大きすぎますよ、それよりこっちを着るべきです」


「祐一これはどうかしら?」

「いいと思いますよ、もう少し派手なのでもいいと思いますけどね」


「祐一は何を着ても似合うわね〜」

「本当ですね」

「恥ずかしいんであんまり大きな声で言わないでください」




「いっぱい買ったわね〜」

「そうですね〜」

二人が俺の持つ荷物を見ながらそういうっていうより

「買いすぎですよ二人とも」

両手いっぱいの荷物を持たされるのは慣らされたので問題ないが気分的にはそういいものではない

「で、夕食はどこに行きます?」

「ファミレスでいいでしょ?」

「デザートはもちろんプリンですよ」

「了解です」

そうしてファミレス向かう三人

「いらっしゃいませ〜何名様でしょうか?」

「三名で禁煙席をお願いね」

「それでわこちらへどうぞ」

そういうウェイトレスさんに案内され席に着く。

「さて、祐一遠慮せずに好きな物頼みなさいよ」

「わかってますよ、それじゃあ・・・このステーキセットで」

「私はハンバーグセットにしますね」

「私は和風ハンバーグセットにしようかしら」

そういいながら恭子さんは呼び出しボタンを押す。
そういえばこのファミレスって。

「お待たせしました、ご注文を・・・あれ?祐一君」

「やっぱり、おっす渚、注文いいか?」

「えっうん」

「ステーキセット、ハンバーグセット、和風ハンバーグセットをそれぞれ一つずつとデザートにプリンを二つ頼む」

「はい、ステーキセットお一つ、ハンバーグセットお一つ、和風・・・以下略 以上でよろしいですか?」

「おう、頼むな」

「うん、それでわ失礼します」

そういい渚は去っていく。

「へぇ〜古河ってここでバイトしてたんだ」

「可愛い制服がよく似合ってましたね」

「ですね、体が弱いんで最初は反対されたんですけどあいつ頑固だから押し切ってバイト始めたらしいです」

「へぇ〜、古河と仲いいの?」

「ええ、両親同士が知り合いで昔からの付き合いなんです」

「そう、でも体が丈夫になったわけじゃないからちゃんと見ておきなさいよ」

「はい」

そう答えた後俺達三人は頼んだものが来るまで雑談にふけ注文を渚が持ってくると渚をからかい
そしてプリンを食べ幸せに浸る結さんを微笑ましく眺めながら時間を過ごした。






「ご飯ご馳走様でした、今日は楽しかったです」

「こっちも楽しかったわ、それじゃあ気をつけて帰るのよ」

「お休みなさい祐一君」

「お休みなさい恭子さん結さん」

「「また学校で」」

そういい車を出し帰って行った。

「今日は本当にいい気分転換なったな〜」

体に満ちる魔力を感じながら空を眺め帰路に着く。

「さて、リベンジさせてもらうぜ」




あとがき
祐一君の休日の一コマってことで第五話でした。
まずは先のクイズの答えを
1バイナリィポットのコーヒー
2母親のコーヒー
3恭子先生のコーヒー
4百花屋のコーヒー
5秋子さんのコーヒー
の順でした、理由は一番は祐一の為の特撰コーヒーがあるため、二番は一番飲みなれている(一番よく飲む)
三番飲む機会がそれなりにある、四番一様店で出しているもの飲む機会がたまにある
五番は一番飲む機会がないの母親の味に似ているため
です、正解者は残念ながらいませんでした。
企画に参加してくれた方ありがとうございました。
さてこれからの話ですが次回がリベンジ編(2〜3)→親睦旅行鶴来屋編(3〜5)→黄金週間松笠編(2〜5)
ってな感じで書いていく予定です
これからも応援よろしくお願いします