あれはたしか、入学式から五日ほどたったある日の事だった
高校生活にも慣れ始めてきたその日、仲間達とやっていたゲームがその後の運命をがらっと変えるとはその時は思いもしなかった



魔法会長祐一 第二話 「生徒会長選挙」



ポーカー三本勝負の二本を二位三位で通過した俺の持ち点は3点、同じく浩平が3、北川と住井が4、と飛び出している奴はいない、この三本目が勝負!

「さて、それじゃあカードを配るぞ」

ディーラー役の住井がカードを配る
俺の手は・・・Aのワンペアか、残りの三枚がK、Q、10、ここは賭けるか・・・

「三枚チェンジだ」

北川がカードをチェンジする

「俺は二枚だ」

続き浩平もカードをチェンジ

「俺も二枚だな・・・最後に相沢、チェンジか?」

俺の心は・・・決まった!

「一枚チェンジだ」





「全員チェンジは終わったな」

そういい住井が俺達を見る。

「それじゃあまずは俺からだな」

そういい北川がカードをオープンする。

「9のスリーカードかなかなかいい手だが俺には及ばないな」

そういい住井がカカードをオープンする。

「はっはっはっは!甘い甘いぞ住井!練乳ワッフルの百倍は甘い!俺の手を見ろ!」

そういい今度は浩平がカードをオープンする。
因みに住井の手はフルハウスで、茜が練乳ワッフルにピクッと反応していたのを俺は見逃してはいない。

「「5のフォーカードだと〜!!!」」

「ふっふっふ」

「くそ〜、今回は俺の負けか?」

「まてまて、まだ祐一の手を見てないだろ」

浩平がそういうと三人の目が俺に集まる。
そして俺は机に伏せた状態で並べていたカードを一枚ずつめくっていく。

「A」

「K」

「Q」

「そして10」

「まっまさか!」

三人の視線が俺を猛烈な勢いで射抜く。

「いや、この最後の一枚は俺もまだ確認していない」

「なら」

「相沢もまだ手がどうなっているのか分からないって事か」

「ああ、さて勝負だ、俺の運がお前等より上か、それともお前等の運が俺よりも上か!オープン!」

そうしてその時俺が引いたカードはスペードの7だった。












「負けた〜!」

「はっはっは、日頃の行いの差だな」

(お前の方が行いは悪いだろ!)とのクラスの声が聞こえたきがした。

「さて、相沢の負けが決まった所で今回の罰ゲームの発表と行きますか、北川」

「おう!」

住井に呼ばれた北川が意気揚々と一枚の紙を取り出した。

「今回の罰ゲームはこれだ、呼んでみろ祐一」

「どこかで見たことある紙だな、え〜っと、生徒会長選挙立候補者募集中って!」

「そうだ、今回の罰ゲームはこれで出る事」

「頑張れよ相沢」

「おいおい、ちょっと待てよ、こんなのに出たって意味無いだろ?それに俺は委員とかの仕事やった事ないし、そもそも一年が会長になれるのか?」

「意味ならあるぞ相沢、なんていっても目立つ!」

「それに仕事なんて出来なくても大丈夫だと思うぞ、相沢も今の高等部会長をしってるだろ?」

そういいながら北川は窓を指差す。

「るんらら〜♪」

「楽しそうなのはいいが転ぶなよ日和」

そこには現会長と副会長の二人の姿があった。

「それに祐一よ、この学園なら一年会長なんてざらだぞ?もっとも身近な例としてお前の母親がいるし」

「そういえばそうだったな」

「という訳で頑張ってくれ相沢、主な対抗馬は相沢も知ってるうちのクラスの二人だ」

「久瀬と智代か」

「まあ俺達も選挙活動には協力するし頑張ろうぜ」

「こんなに準備がいいって事は、お前等最初から仕組んでたな!」

「イカサマしたのは三回目だけだぞ」

「そうそう、諦めて会長になれよ相沢」

「そういうことだな」

「はぁ〜俺を会長にして何がしたいんだお前等は」

「「「面白可笑しい学園生活!!!」

「まったく、まあやるからには真面目にやらないとな」




そんなこんなで会長選挙の準備期間になったんだが一体何をすればいいのか俺達四人は全く
分かってなかったので久瀬と智代が何をしているかまず確認する事から始まった。




あのゲームの次の日、俺は学校につくとあの三人を連れて早速行動に移した。
そして最初にやってきたのが久瀬陣営だ。

「久瀬直行をお願いしま〜す」

「お願いしま〜す」

人通りの多い廊下でビラを配っている一弥とちひろの二人に話を聞くため俺は近づいていく。

「よっ一弥、ちひろ」

「おはようございます祐一さん」

「おはようございます祐一先輩」


「それで何か用ですか?」

「ああ、準備期間に何をすればいいのかよく分からないから久瀬は何やってるかな〜と」

「ああ!無謀な三人目の立候補者って祐一さんの事だったんですか」

「無謀ってまあ久瀬や智代に勝てるとは俺も思ってないけどな」

「祐一先輩なら会長になれるかもしれませんよ」

「ありがとなちひろ」

「あっ」

「それで今何をやっているか詳しく説明してくれ一弥」

俺がちひろの頭を撫でてやりながら一弥の話を聞いている後ろでは



「なあ住井、祐一が頭を撫でてる子は誰だ?」

「ちょっとまってくれ、確か・・・」

そういいながら胸ポケットから取り出したメモ帳を捲っていく住井

「でたな住井の校内美少女メモ」

「あったあった、彼女は中等部3年の橘ちひろちゃんだな、園芸部所属で相沢とは親友のカフェテリアでウェイトレスをやっている茉理ちゃんの紹介で知り合ったそうだ」

「前々から思ってたが相沢って無駄に知り合い多いよな」

「まあ祐一は一言でも会話を交わした相手は友達だっていってしまう奴だからな」

「それが相沢のいい所だろ?それより話が終わったみたいだぞ」

「悪い、待たせたな、それじゃあ次に行こうぜ」

「「「了解」」」





一弥から話を一通り聞き終わった俺はあいつ等を連れ智代の下に向かった。

「さて、智代はどこにいるんだ?」

首をきょろきょろさせながら俺達は智代を見つける為廊下を歩いていた。

「坂上は校内を歩き回っているみたいだから会うのは難しい・・・」

「おっ!いたいた、智代〜!」

廊下の奥を歩いている智代を見つけた俺は手を振りながら声をかける、そういえば住井が何か言っていたみたいだがまあいいだろ。

「ん?祐一か、何か私に用か?」

「ああ、この準備期間中に智代が何をやっているのか教えてもらおうと思ってな」

「ふむ、それはいいがもしや祐一も選挙にでるのか?」

「ああ、成り行きでそうなてしまってな、まあやるからには真面目にやらないとお前達に悪いからな」

「ああ、祐一のそういう所、私は好きだぞ」

「ありがと、そういってもらえると俺も嬉しいよ」

「さて、それじゃあ私がこの期間にやっている事だったな、私は・・・」

「ふむふむ」



「俺達っておもいっきり蚊帳の外だよな」

「言うな北川、相沢はもてるんだ、俺のデータだと坂上は相沢の事が好きみたいだしな」

「ガキの頃から祐一と一緒にいる俺はもう慣れたぞ」

「「「はぁ〜」」」



「私がやっている事はその程度だな、参考になったか?」

「ああ、助かったよ、それより智代は一人で活動してるのか?」

「いや、朋也や渚達が手伝ってくれている」

「そっか、あいつ等が手伝ってくれてるなら安心だな、それじゃあ行くわ、またな智代」

「ああ、また後で祐一」



「さて、やるべき事もわかった事だし、昼休みから活動を開始するからお前達もしっかり手伝えよ」

「この浩平様に任せときなさい!」

「はいはい、それで住井、役割分担なんだが」

「そうだな、俺と折原でチラシの元を作るから相沢は北川を連れて運動部の部長連中にあってきたらどうだ?」

「北川と一緒にか?」

「ああ、北川は運動部に顔が利くんだよ」

「運動部の連中だったら任せてくれ」

「よし、それじゃあその分担で始めるとしますか」

「「「了解」」」




そんなこんなで俺達の選挙準備期間がスタートした。
住井の言うとおり北川は運動部に顔が利きすごく楽に動けた。
文化系のクラブを回るときには氷上に助けを乞いチラシを配るのには
観鈴、郁美、葉子、詩子、あゆ、といった部活に所属していない幼馴染連中が手伝ってくれたので
最初に予定していた枚数を大幅に超えた枚数を配る事が出来た。




会長選挙 当日


「あっという間に当日か」

選挙当日、今俺は体育館袖で久瀬の後の智代が演説を終わるのを待っている所だった。

「お〜い相沢〜」

「おっす祐一」

「柄にもなく緊張してるみたいだな相沢」

番待ちをしている所にあの三人組がやってきた。

「まあ流石に緊張するだろ、こんな大人数の前に立つなんて初めてだからな」

「そっか、まあ俺達の学園生活のために頑張ってくれよ祐一」

「ほかの手伝ってくれたメンバーも応援してるってよ」

「そういう事だ、坂上の演説も終わりそうだし俺達は戻るわ」

「ああ、サンキューな三人とも」

「元々は俺達の罰ゲームが始まりなんだから礼なんていらないって」

「そうそう」

「さて、本気でそろそろ戻ったほうがよさそうだな、じゃあまた後でな祐一」

そういって戻っていく三人に手を上げこたえる。

「さて、智代も終わったみたいだし行くとしますか」



「祐一君どんなことを喋るのかな?」

「にはは、きっと祐君のことだから難しい事は喋らないんじゃないかな?」

「観鈴のいう通りだと私も思うわよ」

「私たちが考えても仕方がないことです、それより祐一が出てきましたよ」




こうやって体育館の舞台を歩いているだけで緊張するな、
それになんだかさっきより騒がしくなった気がするぞ?

「皆さんお静かにお願いします・・・それでわ最後の立候補者相沢祐一さんの演説を始めたいと思います、どうぞ」

司会の女の子、確か同じクラスの瀬能由香だったかが目で合図を送ってきた。

「さてと、演説といわれても俺は久瀬や智代みたいに小難しいことは言えないし言うつもりもない、
この選挙に出た動悸だって仲間内でやっていたゲームの罰ゲームだから、ただ出るとなった以上は
真面目にやって来たつもりだ、その辺りは皆が評価してくれればいい、
さて、前置きはこれくらいにしてだ、俺が生徒会長になったらなんだがはっきり言って何も考えていない
俺はこういった委員会に所属するのは初めてだから何をしていいのか、何が出来るのか、
なんて全く分からないからな、でも唯一つ、言える事がある、それは・・・」

「「「「「それは?」」」」」

「俺が生徒会長になったら!絶対忘れられない一年にしてやるってことだけだ!!!」

「「「「うぉーーー!!!」」」」

「「「「相沢〜!」」」」

「「「「相沢く〜ん!」」」」

「以上!これで演説を終わらせてもらう」

「以上で生徒会長候補の演説を終わりたいと思います、
生徒の方々は教室に戻り選挙用紙に会長になってほしい人の名前を書いてください、
クラス委員の方々は記入された用紙を集め中央委員会本部まで持って来るようお願いします!
って聞いてるのあなた達!ちゃんと持って来なかったら!酷いんだからね!」

「瀬能ってあんなキャラだったんだな、さて俺は当選できますかね」



そんなこんなで祐一の会長選挙は終わった、
えっ!結果はどうなったって?タイトルを見たら分かるだろ?
圧倒的多数の支持を得て当選したよ祐一は。
さて次回からは作者が書きたかった魔法会長の仕事について書いていく事になるぞ
手に汗握るバトルに恋愛、新キャラもまだまだ出てくるし楽しみに待っててくれ
さて最後をお送りしましたのは折原浩平でした、
それでわ次回にお会いしましょう

「トラップマスターの罠の数々、ご覧戴きましょうってな」



あとがき
まず最初にどうも済みません!お待たせしました!
ってな訳で第二話です、祐一が会長になるまでのお話ですね
この辺りは作者的にぶっちゃければどうでもいいお話です
大切なのは次回から!浩平がいってた通り、魔法バトルにほのぼの恋愛を織り交ぜてお送りしたいと
思っておりますのでよろしくお願いします。
関係ないですが下に参加作品一覧を載せときますのでこの子をヒロインにしてほしいとか
こいつを目立たしてほしいとかあったら下にメールしてください、それでわまた三話で会いましょう
kumotorai@yahoo.co.jp

AIR
CLANNAD
ONE
MOON
D.C.+
はにはに
月姫(メルブラ)
それ散る
バイナリィポット
とらハ3
みずいろ
等です