ゴールデンウィーク2日目の朝、
「ん……ん〜〜〜〜〜〜よく寝たわね」
起き上がりベットの上で背伸びをする寝巻き姿の一人の少女、
長く、腰まである茶色い髪をまとめながら上条灯夜の双子の姉、真奈は窓の外へと視線を向ける。
窓から見えるのは隣の家のベランダ、そこからなにやら楽しそうな声が聞こえてくる。
「まったく、いつものことだけど何で起きないんだろうね?」
「いったん寝るとこいつが起きないことは弟のお前が一番よく分かってんだろ?」
真奈の部屋から見えるベランダの右側から聞こえてくる声に聞き覚えがある。
(龍と吹雪……またご近所迷惑をおっぱじめる気かしら)
休日になり、龍がくるたびに隣の家は騒がしくなる。
なぜなら、ベランダのあるところの部屋の主、刹那を起こすためだった。
「「いい加減に……」」
「起きろ!! このバカ兄貴!!」「起きろ!! このバカ野朗!!」
同時に発せたれる声とともに質が違う人を殴るような音が2つ、しかも同時に聞こえてくる。
「毎回毎回ご苦労なことね」
真奈は窓を開けてその騒ぎを静かに聞いている。
刹那の部屋の窓が開き、まるでごみを投げ捨てるかのように刹那の体はベランダへと投げ出される。
ワンバウンドするがそれでも刹那は静かに寝息を立てて眠っている。しかも、丸くなって。
「龍兄、やっぱり起きないよ」
「吹雪……お前の血のつながった兄貴ぐらい起こせないでどうする」
刹那の致命的な弱点、それは一度眠ると起こす事が殆ど困難だということ。
あらゆる外部からの衝撃をくわえても目を覚まさず、自分の意識が戻らない限り起きない。
弟の吹雪いわく、たとえ震度6強の地震が起きても目を覚まさず、家が崩れ落ちても起き上がらず、瓦礫の下で朝まで眠ってるだろうと豪語させてしまうほど。
過去に鳩尾に向かってかかと落としを食らわせたり、プロレス技をかましたりと龍と吹雪はいろいろ試行錯誤していたが殆ど失敗に終わっているらしい。
ベランダに転がる刹那の姿を見ながら龍と吹雪もベランダへ身を乗り出した。
「まあ、今回は任せろ、絶対に目を覚ます方法があるからな」
妙に自信たっぷりな言い回しを龍がするので不審に思ったのか真奈は窓から身を乗り出し、口を挟む。
「なにやらかす気? まさか、そこからそいつを落とすって言うつもりじゃないわよね?」
はっきり言っておこう、龍ならばやりかねない。
「おう、真奈。おはよ」
「おはよう、真奈姉」
真奈の姿を捉えてから2人は気軽に挨拶を交わす。
「おはよう、で? どうやってそいつを起こすの?」
「まあ、任せて置け、取って置きの秘密兵器を用意したからな」
足元で静かに眠っている刹那を横目に龍はすぐさまその秘密兵器を部屋の中に呼び込んだ。
「と、言うわけだ。ちゃっちゃと頼むな」
白い、真っ白で長い髪。まさに純白の髪を持つ少女がベランダに現れた。
「あら? 朱鷺、おはよう」
「おはようございます」
真奈の挨拶に汀目朱鷺は笑顔で答える。
「で? 龍……そのバカを起こす秘密兵器はまさか朱鷺って事かしら?」
「ま〜〜〜ね、本当は黒龍零式使ってもいいんだけど、流石にこれはまずいからな」
そう言って上着に隠れている腰の部分からエアガン『黒龍零式』を取り出し、構える龍にみんなあきれている。
「龍兄……トリアエズ、刹兄を起こそうよ、出ないと始まらないし」
吹雪の適切なツッコミによって銃を手にどこか別の世界に飛びかけていた龍の意識を戻し、本題に移る。
「ああ、そうだったそうだった、じゃあ……朱鷺」
「ハイ」
朱鷺は眠っている刹那の耳元へと顔を近づける。
白い髪が刹那の顔に触れる。
「刹那君……起きてください」
耳元でぼそりとつぶやく、
「……ん? ああ、朱鷺か」
閉じられていた目が開き、刹那は目を覚ます。
「おは……ごふぁお!!」
すかさず、刹那の顔面に吹雪の拳がめり込む。
「毎朝毎朝、起きろ、このバカ兄貴!!」
「だからって朝っぱらから兄の顔面をぶん殴る弟がどこにいる!!」
「ここにいるだろうがぁぁぁぁぁ!!!!」
朝から騒がしくクロスカウンターで互いの拳を顔面にヒットさせあう兄弟の様子に龍、真奈、朱鷺の3人はほほえましく見ている。
「仲がいいですね」
「仲がいいいわね〜〜」
「はは、オーッと、ここで吹雪のシャイニングウィザードの炸裂だ!! しかし、さすが刹那、それを受けてでもテキサス○ローバーホールドで見事にダウンを取りました!!」
三者三様のリアクションで刹那と吹雪の兄弟騒ぎを見守りながら、3人は同じ事を考えていた。
また、今日が始まったと。
集まれ!キー学園 オリジナルストーリー
少年が願う『日常』
補習4コマ目『そこに集うは繋がる者たち』
「で、4人で集まるんじゃなかったか?」
駅前のロータリーにある時計塔の下で灯夜は現状を見てあきれた。
「まあ、刹那を起こしに行ったら大抵の場合こうなることは予想がつくだろ? 昨日も電話で言ったと思うけど」
龍はなんだかんだといって楽しそうに笑っている。
「さて、どうしたものかな」
刹那は今、待ち合わせ場所にいる面子の顔を順番に見て、どうするのか考え始める。
黒桐龍
上条灯夜
上条真奈
汀目朱鷺
そして、自分自身である神無刹那、
「って、あれ? 皆人は?」
本来ならここにいるはずの人間が居ないことに刹那は首を傾ける。
「ああ、あいつなら時間ギリギリぐらいになりそうだって昨日言ってたからな……まあ、仕事が押してるんだろ」
待ち合わせ時間は12時、現在の時刻は10時半、早すぎるのは分かっている。
「まあ、時間までどうする? あたしとしてはちょっとこのバカに昨晩、朝方まで家に帰らないで何してたのかをじっくりと聞き出したいんだけど?」
怖い笑顔で笑う真奈に灯夜はめんどくさそうな表情をする。
「うるさいな、姉貴……別にいいだろ? 俺は姉貴の私物じゃないからな」
殆ど同じ顔をした姉弟の一触即発状態にみなどうするかと考える。
(このままやらせておくか?)
(周囲の目が痛いな……)
龍は楽しそうに、刹那はあきれた様子で2人を見る。
「あの……喧嘩はやめましょう」
2人の間に朱鷺が割って入った。
流石にこんな駅前の人目につくところで喧嘩する気は無いのか、2人は笑う。
「……まあ、この事は家に帰ってからしっかり聞かせてもらおうかしら?」
「ふ、甘いな姉貴。俺は今夜は家に帰る気はねぇぜ?」
不敵に笑う真奈に対してあくまで余裕を見せる灯夜。
「ああ、真奈。安心しろ鎖で巻いてでも届けてやるから後は好きにしてくれよ」
龍の一言に真奈はグッと親指を立てる。
「龍、俺を裏切るつもりか!!」
「いや、元々俺らはお前の味方って言うわけじゃないぞ」
刹那の言葉に灯夜はその場で悪態をつく。
『プリズムおと〜〜〜した〜〜〜せか〜〜いのいろもあ〜せ〜』
刹那の腰につけたポーチから着歌がなり、刹那は携帯を取り出した。
「……お、皆人からだ」
メールを確認し、内容に目を通す。
『今から待ち合わせ場所に落ちる』
そのメールを全員で見てから上を見る。
待ち合わせ場所に『来る』ではなくて、『落ちる』ということは、予想される答えは1つしかない。
「……アレじゃねぇか?」
灯夜は東の空の高いところから飛んで来る飛行機を指差した。
かなりの高度で飛んでいるのか、地上からでは豆粒ぐらいのサイズにしか見えない。
「……おいおい、高度何千メートルからやるつもりだよ」
先ほどのメールを見ただけで何をするかを大体予想がつく、というか、確信が持てるのか、みんな笑っている。一名を除いて。
「……蕪坂さん。大丈夫なんですか?」
心配そうにつぶやく朱鷺に刹那は笑った。
「まあ、死亡事故は5万回に1回って言うし……何よりも、あいつだからな」
飛行機が真上に来た瞬間、何かが飛行機から飛び出したのを肉眼でギリギリ確認した。
まっすぐ急降下してくる物体に5人は『あいつらしい』と思う。
「うらら〜らららららら〜〜〜〜〜〜」
かすかに聞こえてくる節約生活の芸人のような声を出しながら落下してくるその人間を5人は見守っている。
「龍……」
パラシュートが開き、落ちる速度が落ちたのを見ながら刹那は隣に居る龍に声を掛けた。
「なんだ?」
「いや、ちょっと考えるとさぁ、どこかのコントのようになるんじゃないのか、って言うのを思うのは俺だけか?」
刹那達の背後にあるのは時計塔……
「……あいつならうまくやってくれるって」
親指をビッと立てる龍を横目に刹那は朱鷺を連れて時計塔から少し離れる。
「あの……刹那君、どうかしたんですか?」
「いや、笑いの神が舞い降りてこないようにトリアエズ逃げさせてもらっただけだよ」
パラシュートが降りてきて……予想通り、時計塔の先端に引っかかった。
「アッチャー、やっぱりこうなるんだよな、俺の場合はよ〜〜〜」
時計塔で宙吊り状態になりながら、スカイダイビング少年は気楽そうな声を出す。
赤い髪の毛にゴーグル、ハーフフィンガーグローブを身にまとうその姿を見ればただの遊び人風の少年にしか見えないだろう。
Tシャツに印刷された天中殺の文字も、街中に普通に立っていれば問題は無い。
空からスカイダイビングをしてこなければ、なのだが。
普段から何を考えているのか分からず、腹黒さと商売根性の塊、常識から逸脱したといっても過言ではない存在。
これほどの奴が何故、生徒会のブラックリストに乗っていないのか、
たぶん、あの生徒会長も裏生徒会長ですらも手玉に取ってしまいそうな気までしてしまう。
彼を知っている人間が真っ先に当てはめる言葉は『愉快犯』、もしくは『放浪癖の究極暇人』のどちらかのみだ。
それが、フリーダム・オブ・ハイエンド、蕪坂皆人という人間だ。
「おいおい、登場はもっと派手にするか静かにするかのどっちかにしてくれよ」
皆人を見上げながら龍はニヤニヤしている。
二人の距離はおおよそ建物の1階と2階ぐらいの差だろう。
「ははは、まあ、ちょっと急いでたんだから演出の悪さは目を閉じろ。その代わりに……」
パラシュートと自分の体を繋げているベストをはずし、皆人は地上へと無事に着地した。
「今日は一日楽しもうぜ、せっかくのゴールデンウィークだ」
パラシュートを片付けながら笑う皆人の元にみなが集まる。
「それよりもまず、あんたが空から降りてくる理由を聞かせてほしいわね」
毎度毎度、まともじゃない登場をかます皆人の姿に慣れているためなのか、真奈は驚かずに理由を聞く。
「ちょっと一昨日からアメリカに行ってな、仕事と趣味の両方をこなしてきたんだが、ちょっと予定が押してな」
一体何をしているのやらと完全にあきれている5人を前に皆人は焦る。
「いや、だってアメリカの某大学の某研究所の某サークルの奴らがモビル○ーツを作るんだって意気込んでてさ〜〜」
「え、うそ、マジで?」
その話に龍が食いついてきた。
「ああ、ただ、原子炉は流石に無理だからその辺から始めてるんだが、OSとかその辺にかなり苦戦しててな」
皆人はポケコンを取り出し、画面に画像を表示させてみんなに見せた。
外国人の群れと皆人、そしてその後ろに大きな人型のロボットが立っている。
「ザ○か」
「ああ、しかも旧ザ○だな」
刹那と龍はそれを見ながら笑っている。
ガンダ○では無くて、あえてザ○Tを作るあたり、ただのマニアの集団ではないようだ。
「まあ、完成させるのも面白いんだけど、流石にこれはちょっといろいろ問題が絡んでくるから迷うんだよね」
どんな問題が絡んでくるんだよ、と灯夜は心の中で突っ込みを入れておく。
「灯夜、心の中で突っ込みをしても聞こえないから無意味よ」
真奈は灯夜の心の中の突っ込みに突っ込みをかましている。
双子だからなのか、それとも考えることが一緒だったのか、二人そろってため息を吐く。
「まあ、どうでもいいけど、どうする? トリアエズ今日の予定を立てようぜ? 希望を言え」
刹那はみんなを見回してから笑う。
「あたし、買物に行きたい」
「俺は夜にバンドの練習に付き合ってほしいんだけどな」
「トリアエズ、暴れさせろ」
「龍に同意、俺も暴れたい」
「私は……みんなとならどこにでも行きます」
真奈、灯夜、龍、皆人、朱鷺は順番に自分の希望を言っていく。
「……と、言うことは」
刹那は頭の中で予定を思考していく。
「トリアエズ、商店街に行くか」
その言葉に全員が同意した。
「あ、ねぇねぇ朱鷺、これかわいいわね」
「そうですね、でも真奈さん、こっちもいいですよ」
商店街の洋服店の中で女の子2人がキャッキャ騒いでいるのを店の外から男共4人は眺めていた。
流石、ゴールデンウィーク。しかも昼過ぎ……
キー学の生徒たちやら近所の住人やらと、とにかく人が多い。
注意して見れは見たことがあるようなヤツの顔もあるだろうが、刹那たち4人はソコまで気が回らなかった。
ガラス越しに2人の姿が見える場所で4人は座り込んでいた。
「……やっぱり、あの……2人を混ぜたのは失敗じゃないのか?」
灯夜が口を開き、ひねり出すかのように声を出す。
「まあ、真奈の場合はアレがデフォルトだから気にしないけど、朱鷺もあんな感じじゃあちょっときついな」
龍はコーヒー牛乳を飲みながらため息を吐く。
現在の時刻は2時過ぎ、約3時間、今の今まで朱鷺と真奈の買物につき合わされ、4人の体力と精神力は結構ボロボロだった。
「そっか、そういえば最近、お前らは朱鷺と出かけたこと無いから知らないのか……」
刹那も自分のコーヒー牛乳を飲みながら微笑む。
「普段はおとなしいし、あまり自分の意見を言わないからな、俺たちの前でもああはならないな」
「……デートの時もあんな感じだったらお前らも大変だな」
灯夜はもう一度、店の中で服を選んでいる二人の姿を見て、刹那と龍の顔を見る。
「「別に? 一緒に居て楽しいからソコまでつらくないさ」」
二人そろっての回答に灯夜は苦笑する。
刹那と朱鷺、龍と真奈はそれぞれ付き合っている。
刹那と朱鷺の場合は、本当に付き合っているという感覚で、高校に入ってから偶然の出会いから始まり、ひと悶着、ふた悶着、み悶着と、お互いの過去が複雑に絡み合って今に至る。
種を明かせば、朱鷺は刹那が忘れ去っていた幼馴染だったということだが。
龍と真奈の場合は刹那たちとはちょっと違い、高校に入ってから出会ったのは変わらないが、一緒に遊んでいることの延長線上といっても過言ではない。
まあ、女の子と一度も付き合ったことの無い龍にとって付き合うのがどんなものなのかが分からなくて、一緒に居て楽しいもの同士が一緒にいることが付き合っているんじゃないのかと考えた結果のようだ。
「……どうした? 空を見上げて」
考え事をしている灯夜を見て刹那は不思議そうに自分も空を見上げる。
「いや、俺も彼女がほしいなって思っただけさ」
どうでもいい嘘でその場を笑わせ、灯夜は自分の隣で身動きひとつしない皆人の頭を軽く叩く。
「お〜〜い、生きてるか?」
まるで死んだ魚のような眼で刹那たちを見る皆人に3人はどうしたものかと顔を見合わせる。
「……を………」
ぼそぼそと何かをつぶやく皆人の口元に刹那は耳を近づける。
「ん? うん、ふむふむ、ポケットの中にあるジュースを飲ませてくれ?」
刹那は皆人の上着のポケットから缶入りのジュースを取り出し、ラベルを見て驚愕する。
「おいおい、まさかお前、これを飲む気なのか……」
どろり濃厚(ピーチ味)、キー学の購買横3番目の”対悪魔用兵器”とまで言われる代物だ。
これのシリーズを飲みきり、コンプリートした人間は、偉人変人奇人ぞろいのキー学でも1人しか居ない。
刹那はそのプルタブを起こし、封を開ける。濃厚な臭いが鼻を刺激する。
それを皆人の口元へと運び、飲ませた。
「サンキュ、何とか生き返るぜ」
全部飲み干した後、皆人は缶を握りつぶした。
「俺には無理だな……流石に」
「ああ、流石に一気飲みは俺にも無理だ」
その様子に灯夜と龍も唖然とする。
「こっちとしてはアメリカで不眠不休で仕事してそのままこっちに戻ってきたんだからボロボロでな、つらいんだよ」
言い訳を述べる皆人に3人は笑う。
「お待たせお待たせ、ってどうかした?」
真奈と朱鷺が店から出てきて疲れ果てている4人の姿に疑問を感じている。
「いや、そろそろ昼飯を食わせてくれるとありがたいんだけどな」
ぶっ通しの買物もここらで休憩しないとこっちの体が持たない。と遠まわしに刹那は2人にお願いする。
「そういえば、お昼がまだでしたね?」
「言われてみればそうね」
顔を見合わせて笑う真奈と朱鷺に男4人はただただあきれる。
「でも、なに食べるって言ってもこの辺の飲食店は大体制覇済みでしょ? いまさら食にスリルを求めるのもどうかと思うし」
真奈は神妙な表情で眼に写る限りの商店街の通りにある飲食店街を見据える。
「百花屋でも行くか?」
皆人の言葉に皆首を傾ける。
「あそこは、おいしいけど騒がしいからな、暴れる前にエネルギー補給しなきゃならんし、俺はパス」
龍の言うことはもっともだ。
百花屋……喫茶店のはずなのに料理のレパートリーも設備もどこかのレジャーランド並みの品揃えで、キー学生徒御用達のお店だ。
「朱鷺、この時間の店は?」
刹那は朱鷺にたずねる。
「たぶん……常連さんたちが集まってるはずです」
朱鷺の家、といっても下宿先は喫茶店で、百花屋みたいなチャレンジャーなお店ではなく、生粋の喫茶店だ。
「そっか、だったら行くわけには行かないな」
静かなお店に騒がしい人間が立ち入ることはあまり歓迎されたことではない。
少なくても、お騒がせの人間が2人はいるのだから。
「どうした刹那? 俺の顔を見て」
「いや、なんでもないさ、龍」
龍の顔を見ながら笑う刹那に龍も笑う。
「あ、そういえばいいところ知ってるぜ?」
刹那は思い出したように手を叩く。
「ほう、どこだ?」
皆人は興味深深の食いついてくる。
「まあ、行ってからのお楽しみって言うことにしてくれ」
刹那は笑いながらみんなをどこかへといざなう。
昨日、死に掛けになったあの場所へ
あとがき
4話目です。オリキャラだけです。現在楽識です。
たぶんシナリオ的に何か問題を抱えているような抱えていないような、ちょっと暗中模索状態です。
今回の話で、一応オリキャラはこれで全員登場しました。
6人のオリキャラなんですが、まあ、本編のキャラと比べるとギャグみたいなところも少なく、どっちかというと普通の生徒たちって感じがします。本編の設定を壊さないようにと努力していますので、あまり派出には動かせないといういいわけですが……
ゴールデンウィーク2日目の朝から昼ぐらい、キャンプメンバーはまだ帰ってきていないという認識で動いており、残っている人を利用してギャグ的な内容に仕上げようと努力していますが、なぜかギャグというより日常のお話って感じになってしまっていることがネック……
次の話は暴れさせたい、むしろ暴れる。絶対に暴れてやる!!