THE BATTLE SHIP EXCERION

           〜闇を抱えし者の軌跡〜


      
   第1話   優しき月光


 

  人々が寝静まり、町の明かりも消え去った頃一人の青年があるビルの屋上に
佇んでいた。 


  「.....プロスか?」



  「ええ...任務ご苦労さまでしたなぁ」



  「別に大したことはなかった....」


  特に興味なさげに、その青年は応えた。振り返ることなく、ただ空を見上げ
ただ静かに月の光を全身に受けていた。


 黒いコンバットスーツを纏い、月の光にさらされるその姿はさながら闘いを終
えた騎士のようにも見える。


  「とはいえ流石ですな、たった一人であの研究所をあそこまで破壊するとは
......並みのSS(シークレットサービス)なら

  30人いてもできるか怪しいと思いますが?」



  「.....俺は並ではないからな」



  「それは確かに!なにはともあれ、お疲れさまでしたね。祐......」

  
  祐と呼ばれた青年は、黙ってこちらを振り返り幾分か和らげた表情をむけた
。

 
  ーーーーーー彼の名は相沢祐一。幼き頃、クリムゾンの研究所に捕えられて
いたところをネルガルSSの総責任者であるプロスに

 救助され、以降プロス師事の元、ネルガルのSSとして活動してきた。そして
、今では『黒龍』の異名をもち裏社会から

 も恐れられるネルガル最強のSSとなっていた。


  「何をしていたのですか?」


  「別に....ただ月を見ていただけだ。今日は雲もないからよく見えるの
でな......」


  「ふむ....確かに今日の月はいい月ですね。しかし彼方が月を見るの『
プロス!』は......?」


  「何か用があったんじゃないのか?」

  
  「おぉ!!そうでした!会長が頼みたいことがあるというので会長室であな
たをまっているんですよ。」


  「ナガレがか?」


  「えぇ。どうも御自分で直接おっしゃりたいみたいであなたが帰るのを待っ
ておられるようですよ。」


  「......そうか。では、すぐに行こう。プロスはどうするんだ?」


  「私も窺いますよ。この話には私も無関係ではありませんからね.....
」







  〜会長室〜

  「来たぞ.....ナガレ。」


  「お!ナイスタイミングだね。こっちも丁度おわったところだよ。」

  
  「遅くまでご苦労だな。で、話があるらしいな?」


    
  自分より大変な仕事をこなしてきた祐に言われて、アカツキは苦笑しつつも
話は長くなるだろうから、と2人に

 会長室の中心にある応接セットに行くよう促した。


  「まずは、今回の任務ご苦労様!!本当に君には苦労をかけるね〜」


  「礼はプロスに貰った...それよりお前が話したいということはなんだ?
直接ということだから重要なことなんだろ?」


  
  アカツキはにやっと笑みをみせ、会長専用机からA4サイズの紙の束を持っ
てきた。



  「今時、紙媒体か?」

  
  「これは閲覧用さ!本体はネルガルメインサーバーにSSSのプロテクトを
掛けて保管してあるよ。君が見たら

  焼却処分するさ。むやみにプロテクトを外したくないんでね〜」


  「そうか....しかし、それほど重要なものを俺が見てもいいのか?」


  「もちろん!というか、君に見てもらうためにこしらえたんだよこの資料は
ね!!」


 
  ニカッ、と笑みをみせたアカツキに祐一は普段あまり見せない笑みをわずか
に浮かべ、その資料を手に取った。

 と、表紙に書かれている文字を見た瞬間祐一の表情が硬くなった。


  「......完成したのか。あの船が」


  「あぁ、2日前にね!これから本格的に例のプロジェクトを開始するよ!」

   
  「マーズ・アタック......か」


  「そう!マーズ・アタック−プロジェクト。我が社の社運、ひいては人類全
体の運命を賭けた文字通り命がけの

  プロジェクトとなるのさ〜!」


  「たしかにな......それで俺を呼んだのはどういうわけだ?まさか一
緒に参加しろとでも言うつもりか?」


  「さっすが祐!伊達に僕の親友をしていないねぇ〜。その{ま・さ・か}だよ
♪」


  「................」


  「あ、あれれ?どうしたのかな?黙りこくっちゃって...」


  「.....プロス。あなたもここに来たからには参加するのだろう?」

  
  「ええ!もちろんですとも。私の仕事は人員のスカウト、それにプロジェク
トの監督といったものになりますかなぁ」


  「では、ナガレ。俺とプロスがSSから抜けるとこちらの仕事に支障がでる
んじゃないのか?」



  たしかに祐一の示唆することも最もである。SSの総責任者であるプロス、
それにSS最強の祐一が抜けるとなると

 その人員を埋めるだけの人物が必要になってくる。実際、闘いの中において指
揮する者、そして最強と謳われる人物が

 存在するのとしないのでは、部隊そのもののモチベーションが大きく変わって
くるのである。しかし、アカツキは心配無用!

 とばかりに手をビラビラと振った。



  「あぁ、そのことなら心配ないよ。今日君が潰してくれた研究所でだいたい
マークしてた所は終わったからね!

  それにいつまでも君達に頼ってばかりじゃうちのSSもレベルが下がってい
ってしまうよ。」


  「そんなに柔な連中じゃないと思うが.....だが、プロスはまだしも俺
はここにいた方がいいんじゃないのか?」


  「祐、心配は無用ですよ!これからのSSは私が見込んだ者に任せましたし
、会長もおっしゃったとおり最近のうちのSSは

  あなたに頼っている所も多いんですよ。ここらで離れて気を引き締めさせな
いといけません!」


  「......分かった、俺も乗ろう。”エクセリヲン”に。」






                           〜〜〜〜〜




  「火星......か」

   
  屋上に戻った祐一は、先ほどと同じようにただ立ちすくみ穏やかな月の光を
浴びていた。

 時間がたったせいか月の位置は先ほどより低いものになっていたが、それは確
かに存在していた。

 

  「だいたい十年ぶりだな....」


  そう。祐一の生まれ故郷は火星なのだ。あの日、クリムゾンに拉致されてか
ら祐一は地球の研究所に移送され、

 そこでプロスに助けられたため10年近く火星の地を踏んでいないことになる
。実際、先ほどはプロジェクトの参加に

 難色を示していたが、火星を目標としたこのプロジェクトには前々から興味を
いだいていた。



  「しばらくお別れだな......いや、お前のそばで”さよなら”は言う
としようか。」


  そうして、祐一は手を天に掲げ月を慈しむかのように撫でる格好をした。祐
一を知る者が、そのときの彼の顔を見たら

 その顔は驚きに染まっただろう。今、祐一はまるで愛する者に向けるかのよう
な笑顔で月を見上げていたから.......。

 

  「じゃあ、またな.....」



  そう言い残して、祐一は屋上を去っていった。月はまるで別れを惜しむかの
ように一瞬だがわずかに瞬き、その背を見送った。









  そして..............







  物語は..............









  動き出す............








  彼と彼の周りをとりまく人々によって..........







  その先にあるのは光か、それとも闇か...........












                     〜〜〜〜〜










  「戦艦.....ですか?」

  「うにゅ〜〜......」

  『はい!我が社の誇る新造戦艦!!是非ともあなた方2人に艦長と副長をや
っていただきたいのです!!』




  「ふぇ〜〜、一弥ぁ〜どうします?」

  「う〜ん、僕に聞かれても.....」

  『ちなみにゴニョゴニョも乗船の契約をなさっていますが?」

  「乗ります!!!」

  「ね、姉さん.....」




  「.....乗るわ!あたしの腕を試すには丁度いい機会だしね。」

  「お姉ちゃんが乗るなら私も乗ります!!」


  

  「......分かりました。助けを必要としている人がいるのなら!」

  「あぅ.....私もいっていい?」

  「えぇ!もちろんですよ!!」




  「せんかん〜??」

  『はい!我が社の「行く!行く!!女房から離れられるならどこにだって行
っちゃう!!!」












  エクセリヲン発進予定まで後1週間........変わらず月は輝いてい
る......
















       第1話     FIN







  あとがきで〜す^^

  ふぅ.....こんなに話を書くことが難しいとわな.....
 
 話の内容としてはだいたい頭に浮かんでいるんですけどそれを文にするとなる
と><

 さて、今回で初回メンバーだいたい仮登場ですw分かったとおもうけど^^;

 次回は宇宙に上がるとこまで行く予定ですがあくまで予定ですw

 話のスジとしてはナデシコに順ずるつもりですが右脳がときどき暴走すると思
うので

 全くちがう話がでてくる可能性大ですんでそこんとこだけ覚えておいてくださ
いw

 文章が変だと感じたり、分かりにくい所があったらぜひ教えてください^^

 もちろん、いい所も褒めてもらえればやる気ゲージがUPして一気に2話位い
くかもですw

 でわ!次回おあいしましょ〜^^v