第一話「動き出した運命」




・・
・・・
・・・・
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・

朝霧「う・・・う〜〜〜ん、はっ!?」
鳳「うわっ!!まぶしい・・・・」
不破「・・・・・・なにが、起きた?」

目を覚ますと、そこは草原だった。
一面に広がる、エメラルド色の草。
見も知らぬ草原。
どこまでも続く草原と、それに広がる蒼穹の空。

朝霧「ここ、どこだ?」
鳳「えっと、確か僕たちは・・・」
不破「学校から帰っていた。それで・・・どうしたっけ?」
朝霧「それよりも・・・・・本当にどこだよ、ここ?」
まったく訳が分らなかった。
回想してみよう。


ちょうど2,3分前の出来事だった・・・


「起立・礼」 「さようならー」

いつものように六時間の授業をして、帰宅時間となった。
今を生きる高校生の一人である俺、「朝霧 雄一」は、いつもどおりの怠惰な日常と平行して時間だけが過ぎていく毎日を過ごしていた。
俺はそんな日々が、暇で仕方が無かった。
まあ平和と言えば平和なのだが・・・

そしてまた、いつもの日常が繰り返される・・・・・はずだった。

?「やっとめんどくさいのが終ったぜ〜。さぁ、早くかえろうぜ〜」
?「そうだね。う〜ん・・・今日、帰ったら何しよう?」
朝霧「刹那・・・またそれか。いつも言うがな、帰ってから決めればいい事だろう?それをいちいち言うんじゃない。」
?「これは単なる僕なりの挨拶みたいなものさ。ま、気にしない気にしない!」
と、考えを働かしていると、その考えを阻む二人が現れた。

一人は身長・体型共に大柄で、いかにもめんどくさそうな青年、「不破 烈火」。
もう一人は小柄で、美麗という言葉が自然と出てきそうな華奢な青年、「鳳 刹那」だった。

俺と刹那とは中学時代から、烈火は高校に入ってからの付き合いとなるが、すっかり意気投合して親友となっている。
そしてまた、いつものとおり、この二人と帰るのだった。
本当に、いつものとおりのはずだった・・・・・

不破「うぉ!!やばい!!」
時計を確認する不破から、叫びが聞こえる。この発言が引き金だったのだろうか?

烈火は電車通学をしている。
無論俺たちもそうだったが、彼の場合は一時間に一本しかないという遠い場所に住んでいた。
そのために、電車に間に合うため急ぎで走るのだと思っていた。
朝霧「・・・走るのか?」
不破「ああ!後7〜8分ぐらいしかないんだ!」
ちなみに駅の場所は、学校の校門から歩いても15分の位置にある。微妙な遠さだったが、今からではどうやら間に合わない。
鳳「また走るの?僕、死んじゃうよ〜」
刹那は、運動神経はいいくせにやたらと体力がなかった。そんな刹那の呟きを聞いてか、俺が言う。
朝霧「たまに運動して、体力でもつけろ。それと弱音も吐くな。ほれ、キリキリ行くぞ!」
鳳「はいはい〜。疲れるのは勘弁だけど、しかたないね〜」

階段を全速力で降りて、校門に向かう。ここまででジャスト30秒だ。
校門を出れば道路があり、左右の確認をしてから渡る。
そして駅まで真っ直ぐの道のりを、全速力で走ればすぐに着く。
よしっ・・・今日も間に合いそうだ。
そんなごく当たり前の下校風景。
だが・・・

朝霧「はぁっはぁっ・・・・・っ!ちょ、ちょい待て!」
鳳「はぁっはぁっはぁっはぁっはぁ・・・・・」
不破「な、なんだ?用事か!?」
朝霧「はぁっはぁっはぁっはぁっ、あ、あれ・・・」

鳳「あれ?」 不和「お?」

ちょうど目の前を指差すと、そこには駐車場があるはずだった。
だが、あるはずの駐車場が無い。
否。
無いというよりも、根本から無かったのように無かった。

不破「なんだ?一体何があるってんだ?」
鳳「・・・・・あ、なるほど。駐車場!」
朝霧「ああ。あそこにあるはずの駐車場・・・なんで無いんだ?」
不破「さぁな?」
鳳「行くとき工事してたかな〜?」
朝の登校の時には、何もなってなかった。
だが、目の前には駐車場が無く、後ろの背景が見えないほどの「霧」がかかっていた。
朝霧「なぜに霧?」
不破「しらねぇよ。」
鳳「いってみる?むしろ行こうよ!」

朝霧・不破「なんでそうなるΣ(゚Д゚)」
鳳「それはもちろん、心躍る好奇心!」

不破「ちっ・・・ま、時間は無いけど、行くだけならそんなにかからないだろう。」
朝霧「・・・しゃぁない。じゃ、行くか!」

ざっざっざっざっざ

かすかにだが、駐車場と思える砂利が散乱していた。
踏みしめる音と平行して、その向こうに行けるはずなのだが・・・
朝霧「おい」
鳳「うん。なんで?」
不破「・・・前が見えてこないぞ?」
歩けど歩けど、霧が晴れる様子が無かった。
と、そこにたまたま気になって後ろを振り返ると、そこには想像を絶する光景があった。
朝霧「ちょっと待て!」
不破「ど、どうした!?」
鳳「なにかあった?」

朝霧「・・・・・俺達はどっから歩いてきた?」

不破「おいおい、どうしたんだ?どこって、あっち側・・・」
と、指を指したが、後ろが無くなっていた。
完全に黒く、無な状態で・・・

鳳「・・・え!?」
朝霧「何が起きたんだ?いや・・・何が起きている?」
不破「そんなことよりも・・・」
鳳「?」

不破「電車に間に合わなくなる!?」
鳳・朝霧「心配事それかい!?」

ガラガラガラガラ・・・・・
三人「え!?」

と、そこへいきなり、足元が音を立てて崩れ去っていった。

朝霧「ちょ!?」
鳳「うわ!?」
不破「うぉ!?」
ガッシャーーーーーン


何も抵抗することが出来ないまま、そのまま落ち去ることとなった。


以上回想終了。
朝霧「・・・それでだ。この責任を取ってもらおうか、刹那?」
鳳「な、なぜ僕が!?」
朝霧「あそこに入ろうといったのは確か刹那だったよな、え?」
鳳「・・・でも!あそこに入るのを良いって言ったのは雄一だったぞ!!」
朝霧「そんなことを言った記憶もあるが、過去は忘れろ」
鳳「いや、わけわかんないし!?」

不破「ちくしょう・・・電車がぁぁぁぁ_| ̄|○」
朝霧・鳳「いい加減自分の心配でもしろよ!」

朝霧→ (=゚ω゚)つ)゚∀゚)クルックー ←不破

朝霧「はぁ。頭痛がしてきた・・・しかもクルックーってなんだ?」
鳳「まぁまぁ。で、だ。ここ本当にどこだろね?」
朝霧「ありきたりだが、意外にゲームの世界だったりするんじゃないのか?」
不破「うむ。その可能性も捨てがたいな!」
朝霧「いつの間に復活しやがった!?でもまあ、いいや。かったりいし。」
不破「いいのかよ!?聞いてこいよ!?」

朝霧「嫌」
不破「NO〜!人生最大のショックがここに到来!!!!!!!!!!」

朝霧「バカは無視して前進してみよう。」
鳳「そうだね。何かあるかもしれないし」
不破「こらぁ!お前まで遠まわしにバカ呼ばわりかよ!?」
朝霧「ほれ、行くぞ!」
不破「ちっ・・・あとで言及させてもらうぞ!」
そういって俺達は歩き始めたのだった。

ザッザッザッザッザッザ

最初に居た地点から、2〜3キロぐらいを歩いた気がする。結構歩いた感じはした。
そろそろ疲れてきた頃に、とあるものが見えてきた。
朝霧「お!あれは・・・」
鳳「町?・・・というよりも城かな?」
朝霧「う〜〜〜〜ん」
不破「どうした?」
朝霧「あの城、とこかで見たような・・・」
鳳「大方何かの教科書とかでしょ?」
朝霧「そうかもしれないんだけどさ・・・なんだったかな?」
鳳「まあ行ってみよう!」
ザッザッザッザッザ

近づいていくと、とてつもなく大きな城が目に入った。
先ほど見えていた城はこれだろうと、三人は確信する。
鳳「とりあえず着いたけど」
朝霧「どうする?」
不破「さあ?」
朝霧「まぁ、街へと入るか。」
とりあえず、城壁なる物を根性と言う名の動力源で上り、上から滑り落ちた。
高いとこから滑り降りるのは不慣れだが、とりあえず降りるほか無い。

ズサッーーーーーーーー

垂直な壁をかなりの速度で滑り落ちたが、体が丈夫なのか・・・下に着いた時には何もなっていなかった。
そして辺りを見回す。
どうやら、城の中枢部の裏手側に来たらしい。
目の前には、城の背景が良く見えた。

と、そこへ・・・

ダッダッダッダッダッダ

なぜか無数の走る音が聞こえる。しかも、城の表側からだ。
朝霧「・・・・・何か嫌な予感が」
ダッダッダッダッダッダ
鳳「・・・したと思う」
いつのまにか、俺たちの前に、どこぞのゲームで出てくる「兵」が、一個中隊来ていた。
朝霧「や、やあ!」
とりあえず挨拶はしてみる。
だが・・・

兵A「・・・・・・・・・!」
兵B「・・・・・・・・!?」
兵C「・・・・・!」
兵A・B「・・・・・・・・・・・!」

鳳「なにいってるんだ?」
朝霧「分からない・・・分かるか?」
鳳「さっぱり」
不破「俺は・・・」
朝霧「聞かなくてもわからんだろ。」
不破「聞けよ!」

こちらが解らない言語で会話をする兵たち。
なにやら作戦会議みたいなものに見えるのだが
程なくして決着したのか、いきなり・・・
バッ

朝霧・鳳・不破「!?」

いきなり手に持っていた槍を向けられた。
朝霧「どうやら・・・動くなって事か」
鳳・不破「アンタこの状況で冷静ですね!?」

兵三人「・・・・!!!!」

なにやら怒鳴っている。どうやら黙れといっているのだろうか?
全く解らなかったが、いきなり・・・

バンッ

朝霧「っ!?」
バタッ

鳳・不破「雄一!?」
バンッ・バンッ
バタッ・バタッ

突然槍で首元を殴られた。
殺される・・・・・死ぬのか?


そんな意識の中、一時の眠りへとついた雄一達だった。


?A「・・・・」
兵A「!・・!?」
?「・・・・・・」
?B「・!」

うっ・・・・・
何か話し声が聞こえる。
朝霧「くっ!」
目を強引に開け、目眩がする中を無理にして立った。
すると、

?「目が覚めたようだな・・・エトランジュよ」
朝霧「!?」

いきなり声が前方からした。
何か威圧的な声だったが。
辺りを見回すと、横の方には刹那と烈火が倒れていた。
状況を察するに、ここは城内のようだった。
ま、俺としてはそんなことはどうでもいいか。
朝霧「おいっ、しっかりしろ!」
鳳「う、う・・・うん」
不破「・・・・・っ?」
ようやく目が覚ました二人だったが、事の状況に気が付いてなかった。
無論、自分もだったが・・・

?「ふん。どうやらわしの話は・・・無視か?」
朝霧「はい。」
?「・・・・・」

無視した。
だって・・・かったりいし。
朝霧「ここ・・・は?」
?「無視された奴に答えるのも癪だが・・・まぁよい。ここは我が王国「ラキオス」の城内だ。そして貴様らは、この国に召喚されたエトランジュ。そう・・・私のしもべとなる・・・な?」
朝霧「エトランジュ?」
その言葉は、どこかで聞いたことがあるものだった。
鳳「痛てて・・・っ。僕たち・・・生きてるの?」
不破「っ・・・どうやら、それっぽいな。おい雄一、一体何が起きた?」
問いかけられるが、俺は今は一つの単語でいっぱいだった。

エトランジュ・・・エトランジュ・・・・・!?

あれか!?

すぐに考えは収束し、ある一点へと思い至った。
ここは・・・・・
信じたくないが、ゲームの世界。
その名も、「永遠のアセリア」と呼ばれる世界だ。

朝霧「ちっ!厄介な場所に来ちまったな・・・・・なんでこんな事に!」
鳳・不破「え!?」

疑問だらけで訳が分からなかったが、それよりもする事があった。
俺は、このゲーム自体をやった事がある。
その話とは、主人公の高校生が、突然俺たちみたいに召喚される所から始まる。
そして、とある物を手に取り、戦いの日々へと進んでいってしまうと言う物だった。
その戦いの中で、一つ、主人公は絶対的な力を持つ、とある物を手に入れる。

名を、「永遠神剣」。

形は、初期状態が、なまくらのようなサーベルの形をしている。
だが、力あるものや、何か意味がある者が持つ事により、劇的に形が変わり、本人の使いやすい形へと進化するものだった。
その真の永遠神剣から発せられる力は強大で、あらゆる物を調伏できると言っても過言ではない。
だが、一つだけ試練があった。
神剣には、一つ一つに『闇』と言う物が存在している。
その闇の深さや強さも様々だ。
そして、その『闇』に打ち勝つ事ができて初めて、普通に剣を使えるようになる、と言うことだ。
無論その闇に負けてしまうと、一生心を奪われ自我を失う事となってしまうと言う両刃の剣だ。
その永遠神剣を、主人公の青年はこの場、ラキオス王国と言ったか・・・
その王国の城内で、否が応でも持たされ、その場で真の永遠神剣としたのだった。
ということは、だ。
これから行われるのは、永遠神剣覚醒の儀式だろう。
ならば早い事、この事を二人に言わないといけない。
だが、それを言う前に王に邪魔された。

王「皆が起きて何よりだ。だが、これより儀式を行うがな・・・ははは!」
朝霧「・・・あれか。」
鳳「一体どこなんだ此処は!?雄一・・・分かる?」
朝霧「ああ、さっき分かった。だけど・・・」
そこで刹那たちに、声を潜め呟いた。

朝霧「ここの場所は後で言う。とにかく、名前を聞かれれば自分の名前は使うな。こういう場合を漫画とかで言えば、だ。よく、名前が後々邪魔になるときがある。だから極力使うな・・・・・そうだ、シナリオの名前でいけ。それと、これからある儀式が行われる。その儀式では、とにかく気をしっかり持て。あとは・・・・・」

シナリオとは、俺たちが現実世界で作っていた、実際のゲームをアンソロジーで書く二次創作のことだ。
実際俺たちが書いていたのはオリジナルだったが、案外役立つもんだと苦笑した。

王「おい。そこで何をぶつぶつ言っておる!」
朝霧「ちっ!言えれなかったか・・・ま、とにかくは、がんばるしかない。」
そう呟くと同時に、天井から剣らしき物が突き刺さった。それも、どれも同じ形をした剣だった。
これが・・・永遠神剣。

王「さて、その剣を各自で持って、我らの奴隷になることを誓え。さもなくば・・・」
パチッ

指を鳴らし、指図をする。すると、一人の女性が斧を持って来た。
王「そのスピリットに殺されろ。」

鳳・不破「!?」

スピリットとは、この世界で妖精を指す言葉だ。
この妖精を率いて、国同士が戦争をしていた。
その妖精の力は強大無比で、普通の人が3人束になってかかっても、勝てないほどである。
だが、一つだけ難点が。
王の命令には、妖精は逆らえないことになっている。
つまりは・・・彼女を説得しても、無駄だと言うことだ。

朝霧「ふん。奴隷ね・・・全くもってふざけている。しかもクリティカルに(゚д゚)ウマー」
鳳「いや、わけわかんないし!?」
と、訳わからない方向に持っていき、剣へと近づく。
そのうちの一本を抜いた瞬間・・・

キュイーーーーーーーーン
鳳・不破「雄一!?」

朝霧「あわてないでくれ。まぁ・・・待っててくれ。」
光は高密度を増していき、だんだんと光が俺を飲み込んでいく。
再び意識が暗転したのだった・・・



朝霧「ふん・・・ここか。」
あたりは一転して、暗い闇に落ちたかのような暗さになっていた。
何をしようかと思っていると、声がしてきた。

?「汝か・・・我の眠りを呼び覚ますのは・・・」

声がする。どこか重くて、暗い声だった。
これが・・・『闇』。
朝霧「・・・ああ。たぶんな」
?「汝、我の力を・・・欲するか?」
朝霧「いらん。誰がお前なんかの力が欲しいといった?」
?「ほう・・・どういうことだ?我の力は強大無比だぞ?」
朝霧「お前なんて要らない。俺が欲するのは、お前のような暗い『闇』じゃない。」
?「なら、正義でも語るきか?」
朝霧「冗談。生憎と俺は『正義』って言葉は嫌いでね。元来『悪』しか語ってない。」
そうだった。
俺は昔から、正義と言う物は大嫌いだった。
なぜ嫌いか?
その理由を、俺は知らない。
いつの間にか嫌っていて、どの様な正義をみても『偽善』としか取れなかった。
ならばいっその事・・・正義のことを模倣する『悪』でいいではないか。
そう思い至った日より、俺は『悪』と言う物に過信している。
?「戯言を。汝が申す力は私だと・・・」
朝霧「ああ、そうかい。ならいいよ・・・こうするまでだ!」
そういって目を瞑る。
目を瞑ると、昔から何かしらの言葉と言う物が思いついた。
昔は意味が分からない言葉だった。
今でも分からない部分もあるが、とても力強い伊吹を宿した言葉だと言う事は分かっていた。
そんな力強い伊吹の言葉を、俺は、言うことにする。

朝霧「・・・・・我は欲す。正しき悪・正しき闇として、光と相反する闇でない・・・光と交わる闇を欲す。」
?「!?」

動揺したようだが、気にせずに詩をつむぐ。
俗に言うと・・・・・これは一種の戦いなのかもしれない。
ならば、俺は全力で向かうまでだ。

朝霧「我は誓う。闇の両刃に砕かれようとも、悪の深さに飲み込まれようとも、決して光を足蹴にせず、嘲笑わず、光へと交わっていく。その闇の名をここに召喚する。汝の名前は正しき『悪』。この闇の目の前では、いかなる物とて、敗北は必定なり!」
?「何をする!?やめろ・・・・・やめろ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


朝霧「汝の名は『フェンリル』!破壊を司りし、太古の神々の一人なり!!!!!!!」


その名を叫んだ瞬間、闇を更なる闇が切り裂くのが見えた。
そしてまた・・・
俺の指にはめられた指輪が黒く輝くのを見た瞬間、そのまま光に包まれたのだった。


キュイーーーーーーーン


朝霧「・・・・・・・・」
不破「お、おい!?」

目の前が開けた。元の場所へと戻ってきたらしい。
しかし、手の方に妙な輝きがある。
朝霧「・・・剣が」
目の前で、剣が変形していく。

元あった形に戻ろうとしているかのようだった。
もしかしてこれが・・・進化!?

キュイーーーーーーン

一度閃光に包まれ、すぐ収まった。
そして、目を開けてみると俺は・・・
ただ、驚愕したのだった。


朝霧「こ・・・これは!」



彼らはとある世界に来てしまった。
ここがどこなのかを知るのは、朝霧ただ一人しか知らない状況で。
彼は、ある一つのものと出会ったのだった。

第一話・完